2011 Fiscal Year Annual Research Report
リボソーム技術を応用した新規細胞特異的遺伝子送達法の開発
Project/Area Number |
11F01791
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UNGA J.M. 京都大学, 薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バブルリポソーム / 核酸デリバリー / ドラッグデリバリーシステム / リポソーム / 超音波 / ターゲティング |
Research Abstract |
本研究の目的は、新しい細胞選択的な核酸・遺伝子デリバリー法や超音波診断の開発を目的とした超音波応答性糖修飾バブルリポソームの開発である。糖修飾リポソームの細胞取り込み率に関しては、糖修飾リポソームに修飾する糖脂質の密度が重要な因子であることをin vitroの細胞取り込み実験より確認した。一方、糖修飾バブルリポソーム製剤は、封入するパーフルオロプロパン(C3F8)ガスの速やかな放出が問題であり、封入安定性を改善することがバイオアベイアビリティーの向上に向けて重要な課題である。また、バブルリポソームの粒子径の縮小化は、血管内から標的細胞までの移行効率を改善させることができる。バブルリポソームにおけるこれらの問題を改善させるためには、3つのアプローチ、すなわち、ガスや圧力の選択、最適なリポソームの脂質組成の選択、バブル封入時の超音波照射時間、温度、周波数の選択が考えられる。ガスの選択に関しては、C3F8とN2ガスの割合を変化させて検討したところ、少量のN2との混合ガスを用いることで、約350nmと粒子径が小さなバブルリポソームの調製が可能であった。リポソームの脂質組成に関して、既に核酸導入法として報告されているDSPCとDSPE-PEG2,000から構成される対照のバブルリポソームでは、常圧に戻した際、粒子径が減少し定常状態に至るまでのガス保持時間は、約56分であった。一方、僅かにコレステロールを含有させた製剤処方においては、ガス保持時間が95分であり、ガスの保持時間を延長できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画では、糖修飾バブルリポソームにおける糖認識性とバブル封入安定性の改善を図ることを目的とした。糖修飾リポソームに関しては、取り込み特性までの評価を行い内在化などの評価が遅れたが、バブルリポソームに関してはやや前倒しで良い研究成果を得ることができた。総合的には概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、開発した新規組成のバブルリポソームの製剤特性評価を行うとともに、in vivo核酸・遺伝子デリバリー能などの検討を併せて行っていく。研究計画に大きな変更点は無い。
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