2012 Fiscal Year Annual Research Report
古花粉学による日本の中~後期中生代の古植生及び環境についての研究
Project/Area Number |
11F01814
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
西田 治文 中央大学, 理工学部・生命科学科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEGRAND Julien 中央大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 古花粉学 / 古植生 / 古環境 / 初期被子植物 / 中生代 / ジュラ紀 / 白亜紀 / 化石 |
Research Abstract |
これまでに、千葉県銚子の下部白亜系銚子層群で2回、和歌山県有田の下部白亜系有田層群、岡山県の上部ジュラ系成羽層群、兵庫県の下部白亜系篠山層群、徳島県の下部白亜系物部川層群、山口県の中部ジュラ系豊浦層群、上部ジュラ系豊西層群、下部白亜系関門層群、静岡県の下部白亜系水窪層、長野県の戸台層において資料を採集した。また、茨城県立自然博物館の協力を得て、上部ジュラ系相馬一中村層群産の資料を入手した。九州及び、本州北部、北海道の資料収集今後行うことで、我が国の後期中生代化石花粉フロラの理解が大幅に進展するはずである。 既採集資料の分析は順調に進んでおり、平成24年8月に中央大学理工学部で開催された国際会議である第13回国際花粉学会議・第9回国際古植物学会議合同大会においては、シンポジウム"Paleofloristic an Paleoenvioronmental changes in Asia throughout the Mesozoic : palynological and megafossil evidence"を主催し、さらに銚子層群の花粉分析結果について研究発表を行った。銚子層群からは豊富で保存の良い胞子・花粉化石が発見され、花粉生層序も確立しつつある。また、複数の分類群にわたるシダ植物大胞子が多数みつかり、その解析にレーザー顕微鏡を用いるなど、最新技術を駆使した研究が進展している。 銚子以外の資料解析も進んでおり、特に和歌山県西広層からは、日本で最古の被子植物花粉を発見でき、当初の研究目的の一つであった「日本にいつ花が咲いたか」については研究計画期間内に、一定の解答を発表できる目処が立ったことは、大きな成果である。平成25年3月に千葉大学で開催された日本植物分類学会総会においても研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
千葉県銚子の下部白亜系銚子層群や和歌山県・徳島県の下部白亜系物部川層群から特に保存のいい胞子・花粉群種を得た事でオーテリビアン~アルビアンの花粉生層序を確立し、研究目的の一つであった「日本にいつ花が咲いたか」については研究計画期間内に、一定の解答を発表できた。又、銚子層群から日本において下部白亜系の大胞子化石を初めて報告出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、九州や北海道も含め同様の研究を継続し、日本とアジアにおいて中生代前期型のシダと裸子植物主体の植生からどのようにして被子植物主体の植生に移行していったのか明らかにするとともに、その背景となる環境変化についても情報の集積に努めたい。
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Research Products
(4 results)