2011 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫システムと骨恒常性の関連解析による新規自己免疫疾患治療アプローチの開発
Project/Area Number |
11J00081
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
丸山 健太 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 骨代謝 / 自然免疫 / 破骨細胞 / ミエロイド細胞系譜 / 転写因子 / LPS / RANKL / 敗血症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨破壊と自然免疫を担うミエロイド細胞系譜の分化/機能を同時に制御する「骨自然免疫」因子を同定することで、炎症性骨破壊を伴う自己免疫疾患に対する新たな治療標的を見出そうとするものである。申請者は、マウスin vivoにおける骨量・骨密度の評価系を使用し、所属研究室において過去に作成された遺伝子改変マウスを利用したスクリーニングを行った。その結果、TRAF6のユビキチン化を制御する遺伝子A(非公開)及びnotchシグナル関連遺伝子B(非公開)のノックアウトマウスに重篤な骨量の異常を認めることを発見した。in vitroのアッセイによりこれら遺伝子は正常な骨代謝回転に必須の遺伝子であることを確認しており、遺伝子Aに関する研究は既に国際誌に投稿中である。 申請者はこれ以外に、トランスクリプトーム解析で得たデータより、LPSで誘導されないが破骨細胞分化誘導因子で誘導される転写因子群を選択し、さらに自然免疫担当細胞でも発現が認められるものを抽出、レトロウイルスを使用したin vitro過剰発現・ノックダウン系における破骨細胞および自然免疫担当細胞の分化アッセイを行った。その結果、破骨細胞および自然免疫担当細胞双方の分化を制御する可能性のある転写因子群の抽出に成功し、それらのノックアウトマウス作成を行った。その結果、転写因子C(非公開)とD(非公開)のノックアウトマウスがin vitroでのアッセイより予想されるフェノタイプを示し、in vivoにおける「骨自然免疫」の新たな制御因子としての役割が明らかとなった。現在、次世代シーケンサーを用いたchip seq等の解析技術を用いてこれら転写因子の標的遺伝子同定を試みており、転写因子Cに関する研究は投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ノックアウトマウススクリーニングにより2系統の「骨自然免疫」因子が同定された。さらに、トランスクリプトーム解析およびin vitroの過剰発現・ノックダウン系でスクリーニングした転写因子のノックアウトマウス作成を行ったところ、2系統の「骨自然免疫」因子が同定された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に同定した「骨自然免疫」転写因子のノックアウトマウスの解析と、そのメカニズムの探求を行ってゆく。所属研究室が転写因子を専門としていないため、大阪大学免疫学フロンティア研究センターに所属するシステムバイオロジー研究者とのコラボレーションにより、標的遺伝子の探索をすすめていく。
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Research Products
(4 results)