2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J00724
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小泉 京美 東洋大学, 文学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 東アジア / 満洲 / 植民地 / モダニズム / アヴァンギャルド |
Research Abstract |
前年度から継続して日本の旧植民地・租借地における日本語文学・文化に関する資料の収集と分析を行った。研究活動は大きく以下の三点にまとめられる。 1、満鉄の文化活動に関する資料の収集と分析 前年度に北海道大学図書館・小樽商科大学図書館で行った資料調査をもとに、満鉄関連資料の分析を行い、満鉄図書館や満鉄の社員クラブにおける文化活動の実態を調査した。満鉄附属地の行政と日本人の文化活動との関わりを考察し、成果の一部を報告した。 2、1920~1930年代のアヴァンギャルド芸術運動に関する考察 アジアと日本の地政学的考察をふまえて、1920~1930年代のアヴァンギャルド芸術運動の展開を考察した。関東大震災後の日本語の変容に着目し、ヨーロッパとは異なる運動の必然性・独自性を検討した。また、満洲事変から日中戦争へと時局が展開する中で、アヴァンギャルド芸術運動が「満洲」における日本語文学の状況に果たした役割を考察した。 3、日本語文学・文化関連資料データベースの作成 前年度に引き続き、日本の旧植民地・租借地における日本語による文学・文化に関する資料の収集と分析を行い、その成果をデータベースに反映した。本年度をもって「満洲国」「関東州」編を完成し、その成果の一部を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本の旧植民地・租借地における日本語文学・文化に関する資料の調査が進み、資料の分析に基づく考察を行うことができた。また、国際シンポジウムや海外での成果発表の機会を得ることができたため、研究活動の成果を広く公表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究課題の推進にあたって、基本的な方針の変更は行わない。本年度はとくに、研究期間の集大成として、これまでの成果をまとめて公表することを目指す。
|