2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J01032
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
竹井 英文 国立歴史民俗博物館, 研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 織豊政権 / 中近世移行期 / 織豊期 / 戦国期 / 政治史 / 城郭史 / 豊臣政権 / 天下統一 |
Research Abstract |
今年度の研究は、これまでと同様、織豊政権による全国統一過程に関する研究、および戦国・織豊期城郭の基礎的研究を継続すると同時に、基礎史料の調査を重点的に行った。 今年度活字化された成果は、以下の通りである。①「岩付太田氏と難波田城」(黒田基樹編『岩付太田氏』岩田書院、2013年5月)は、以前活字化された論文を再録したもので、東国城郭の基礎的研究の一環である。黒田基樹編『北条氏年表宗瑞・氏綱・氏康・氏政・氏直』(高志書院、2013年8月)のうち、②「天正十年~天正十八年」、③「コラム 北条氏の城郭その後」を執筆した。②は、拙著『織豊政権と東国社会』(吉川弘文館、2012年)の内容を踏まえて、より政治史の流れを意識して通史的に叙述した。③は、移行期城郭論の方向性を論じた。④「館山市立博物館所蔵「里見吉政戦功覚書」の紹介と検討」(『千葉大学人文研究』第43号、2014年3月)は、移行期政治史に関わる史料の全文翻刻と内容紹介・検討したもの。⑤「文化財講演会発表要旨 戦国前期の東国と史跡深大寺城跡」(『調布の文化財』第49号、2013年3月)は、2012年10月に行った同名の講演会の要旨である。⑥「2013年度歴史学研究会大会報告主旨説明 中世史部会 中世における地域権力の支配構造」(『歴史学研究』第905号、2013年5月)は、大会報告の主旨説明文である。⑦「戦国期(関東・甲信越・東北)」(『史学雑誌2012年の歴史学界―回顧と展望―』第122編第5号、史学会、2013年5月)は、昨年度の戦国期研究を整理・紹介したもの。⑧「書評 黒田基樹著『敗者の日本史10小田原合戦と北条氏』」(『織豊期研究』第15号、2013年10月)は、本研究に深くかかわる黒田氏著書の書評である。その他、受理された研究(研究ノート)として、⑨「真田と上杉を結んだ道―戦国・織豊期の沼田と会津―」(谷口央編『関ヶ原合戦の深層(仮)』高志書院、2014年5月刊行予定)がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に本研究の一環として刊行した拙著『織豊政権と東国社会―「惣無事令」論を越えて―』(吉川弘文館、2012年)をもとに、より通史的かつ一般向けにまとめた黒田基樹編『北条氏年表』を刊行できたことは大きかった。また、拙著の内容をより深める形で、個別論文・研究ノート・書評・史料紹介などを着実に発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により、織豊政権による天下統一過程のうち、東国統一過程についてはかなり部分を解明でき、学界に寄与することができたと考えている。しかし、西国統一過程については、史料の収集は継続的に実施したものの、東国統一過程に関する研究で手いっぱいとなったため、あまり進めることができなかった点は残念である。天下統一過程の全体像を把握するためにも、西国統一過程の実態解明が今後の大きな課題であると考える。今後も史料を収集・分析し、学会発表・論文執筆を行う必要がある。
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Research Products
(4 results)