2013 Fiscal Year Annual Research Report
スピンエサキダイオード構造を用いたスピントランジスタの開発
Project/Area Number |
11J01277
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩貝 純一 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DCl)
|
Keywords | スピントロニクス / (Ga, Mn)As / スピンエサキダイオード / スピン注入 |
Research Abstract |
スピントランジスタの実現に向け, 強磁性半導体である(Ga, Mn)AsとGaAsの接合であるスピンエサキダイオード構造を用いて, 半導体への高効率スピン注入・検出及びスピン増幅, さらにはスピン注入誘起の核スピン偏極及びそのダイナミクスに関する研究を行った. まず, スピンエサキ接合の電流電圧特性が非線形性を示すことに注目して, 検出電極に定バイアスを印加しながら非局所測定を行う事で, 非線形性が最も大きいところでスピン信号が最大40倍まで増幅できることを実験的に示した. これにより, スピン検出界面に非線形性が強い材料を選択すればよいという設計指針を与えた. これはまた, これまで広く議論されていた, 3端子スピン検出法の増幅起源を明らかにしたものである. 前述の非オーミック電極によるスピン信号増幅の知見をスピンエサキダイオード構造におけるトンネル異方性磁気抵抗効果及びトンネル異方性スピン偏極率を調べ, 負性微分抵抗/抵抗比が大きくなるところで後者の効果が支配的になることを明らかにした. この知見は従来のスピンバルブ法以外のスピン蓄積検出の新たな手法を提案するものである. 次に, スピンエサキダイオード構造を用いてこれまで確立した高感度スピン検出の技術を元に, 数十ミクロンまで長距離にわたる電子スピンの偏極率を調べ, 電子が感じる核磁場を間接的に磁気抵抗及び核磁気共鳴で測定することにより, 核スピン偏極率の空間分布を評価した. さらに実験結果とシミュレーションを比較することにより, 偏極核スピンがスピン流へ及ぼす影響を明らかにした. とくに, 電子・核スピンの結合の大きさを表すleakage factorが0.3であること, また, この値が電子スピン偏極率に依存性せず, 一定であることを明らかにした. これらの成果は将来のスピントロニクスデバイスを設計する上で重要な知見であり, 研究はおおむね順調に行われた.
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Non-local versus three-terminal detection of spin accumulation in (Ga, Mn) As/GaAs spin Esaki diode devices2013
Author(s)
M. Ciorga, J. Shiogai, M. Utz, D. Schuh, M. Kohda, D. Bougeard, T. Nojima, J. Nitta, and D. Weiss
Organizer
Spintronics VI, SPIE Optics and Photonics 2013
Place of Presentation
サンディエゴ(アメリカ合衆国)
Year and Date
2013-08-27
Invited
-
-