2011 Fiscal Year Annual Research Report
ひきこもり現象の量的調査研究と原因理解―現代日本における逸脱論の新展開を目指して
Project/Area Number |
11J01288
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井出 草平 大阪大学, 保健センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ひきこもり / 逸脱 / 社会病理 / 不登校 |
Research Abstract |
本研究目的は、日本に40万人規模で存在するとされている「ひきこもり」という現象の原因理解を行い、逸脱現象を扱う理論的貢献をすることである。「ひきこもり」が社会問題化されて10年あまり経つが、「ひきこもり」の規定要囚を研究する研究は未だに不十分である。 現在のところ、ひきこもりを対象にしたランダム・サンプリングをされた量的研究は筆者らのグループが行った井出・水田・谷口(2011)のみである。ただし、この研究は対象を大学生に限定したものであるため、大学生の「ひきこもり」の性質は判明したものの、大学生以外のひきこもりの性質は明らかにできなかった。本研究では対象を拡大し、全年齢、および、ひきこもり状態にある本人、および家族のデータを得ることによって複合的にひきこもりの要因分析を行う。 本年度は、大阪府下の支援団体でサービスを受けている者を調査した。支援団体で顕在化している「ひきこもり」が対象であったため、一般人口をランダム・サンプリングした調査ではないが、本年度の研究においてもひきこもり現象の輪郭は捉えられるのではないかと考えている。単純集計では、経済状態が生活保護である者が6.7%おり、主観的に「貧しい」と答えた者が13.4%いた。何らかの経済的困難を抱えている者が少なからず存在していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は2011年度より大阪府青少年・地域安全室青少年課によって行われる「ひきこもり」の実態調査のデータを使用する計画を立てていたが、本調査は延期されることになり本年度は対象を顕在化している「ひきこもり」に限定して調査に変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の調査を分析し「ひきこもり」の支援の重要性を指摘する成果を出した上で、申請時の計画通りのサンプルサイズでの調査を実施するように努めること。
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Research Products
(2 results)