2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J01564
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北山 貴裕 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特任助教
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Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
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Keywords | 3次元多様体 / 基本群 / 表現空間 / ファイバー束 / 被覆空間 / 縫い目付き多様体 |
Research Abstract |
本年度は、特に非可換な被覆変換群を持つ被覆空間から3次元多様体の位相構造を捉えることを目的として、基本群のn次元表現のモジュライ空間であるn次元指標代数多様体のideal pointと呼ばれる無限遠点から基本群の2次元的な分解を捉える研究、円周上のファイバー束であるような有限被覆空間の存在を縫い目付き多様体論の枠組みにおいて捉える研究を行った結果、以下のような成果が得られた。 1.Culler-Shalenにより、基本群の2次元指標代数多様体のideal pointに付随して、3次元多様体内に本質的曲面が構成されることが知られていた。この理論をより一般のn次元指標代数多様体の場合にまで拡張することに取り組んだ。まず、n次元指標代数多様体のideal pointに付随して、基本群がbuildingと呼ばれる特別な単体複体への非自明な作用が得られることを示した。また、そのような作用から3次元多様体内に性質の良い分岐曲面が構成され、基本群にgraph of groupsの拡張概念である2-complex of groupsの構造が誘導されることを発見した。 2.Agolにより、「非球面的3次元多様体がRFRSと呼ばれる性質を満たす基本群を持つならば、円周上のファイバー束であるような有限被覆空間を持つ」ことが示されていた。最近、Agol、Liu、Przytycki-Wiseらにより、RFRSな基本群を持つ3次元多様体の分類が完了している。Agolはnormal surface理論の枠組みによる組み合わせ的な手法を用いて証明を与えていたが、縫い目付き多様体論の枠組みによるより位相的な手法による別証明を与えた。これはAgol、Gabaiらによってより自然なアプローチの可能性として指摘されていたものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
平成24年12月15日に特別研究員を辞退している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年12月15日に特別研究員を辞退している。
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Research Products
(12 results)