2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J01733
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
広瀬 稔 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 新谷L関数 / ヘッケL関数 |
Research Abstract |
本年度は主に新谷L関数の関数等式を総実代数体のHecke L関数の関数等式の証明に応用するための方法について、研究を行った。Hecke L関数を新谷Lで表し、新谷L関数の関数等式を適応すると、基本領域のdualとでも呼ぶべき領域が現れる。そのため新谷L関数の関数等式をHeckeL関数の関数等式の証明に用いるには、この基本領域のdualがまた基本領域となることを示す必要があった。そのために符号付きのConeの和としてFanを定義し、その性質について研究を行った。Fanの集合に自然に入る同値関係として、境界が0になるFanを0とする同値関係があり、二次体を対象としている場合には、この同値関係のみで十分である。しかし、一般の次数を扱うためには、低い次元に縮退しているFanを0とみなすという同値関係がさらに必要となることが分かった。さらにこの同値関係のもとでFanのDualがWell definedとなることを証明した。また、さらにこの同値関係のもとで基本領域のDualがもう一度基本領域となることを示した。これにより、総実代数体のHeckeL関数の関数等式が実際に新谷L関数のL関数等式から導かれることを示した。また、その他の研究としては、RenとSczechによる複素三次体におけるStart予想のRefinementについて、新谷L関数を用いた定式化を行い、さらに少数の例について数値計算を行い、その場合にも実際に予想が成り立っていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
扇の理論を整備し、ヘッケL関数の関数等式に応用するなど、重要な成果があったため
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Strategy for Future Research Activity |
今後も新谷L関数及び関連する話題について研究を進めていく。
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