2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J02156
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
徳光 政弘 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自律分散システム / 動的環境 / 適応的戦略 / 自律的エージェント / 自己修復ネットワーク / ゲーム理論 / 空間的戦略 |
Research Abstract |
自律分散システムは、動的環境下ではシステムが動作し続けるために変化する環境に適応する必要がある。本研究では、自律的エージェントの行動の意思決定を戦略としてモデル化し、適応的戦略の構築を試みる。 本年度の研究では、まず、任意の戦略に対して適応的に振る舞う戦略である適応的戦略を定義した。適応的戦略による評価のために適応量を定義し、この値を用いて比較する。適応量は戦略集合と戦略が得る利得から計算される。動的環境においてエージェントは様々な戦略を持つエージェントと相互作用するが、この戦略によりどれくらい他の戦略に対して適応的に行動したかどうかを評価することが可能になる。適応的戦略の有効性を確認するために、自己修復ネットワークに適応的戦略を適用し、シミュレーションにより解析を行った。自己修復ネットワークは、情報システムを対象とした相互修復モデルである。自己修復ネットワークのエージェントには、修復戦略として空間的戦略を導入した。 シミュレーションの結果、適応量が最大となる戦略は、戦略集合の戦略の中で獲得する平均利得が最大ではないものの、その分散が最も小さくなる場合があることを明らかにした。情報ネットワークでは、ネットワークの空間構造も動的に変化し、エージェントが相互作用する周りのエージェントも時々刻々と変化する。適応的戦略を持つエージェントは、このような環境に対してパフォーマンスを低下させることなく活動できる可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初設定した目標に対して、検討中の事項がある。今年度は、適応的戦略の数学的な形式的定義をした。そして、自己修復ネットワークに適応的戦略の解析を適用し、シミュレーションにより検証した。その結果、適応的戦略による評価は、環境に適応している戦略を定量的に評価することができた。今後は、適応的戦略のネットワークの空間構造や、環境適応の時間的特性について検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、適応的戦略と関連する戦略の概念との比較を行い、提案する戦略との関係を明らかにする。適応的戦略の環境に適応するまでの時間的特性の解析や、ネットワーク構造に対する適応を考察する。解析にはシミュレーションや数理解析を用いる。また、適応的戦略の情報システムへの適用に関して、適応的戦略の設計手法、設計した戦略間の評価手法について検討し、考察する。
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Research Products
(2 results)