2011 Fiscal Year Annual Research Report
中世インドにおけるラサ理論と倫理観の研究 : ガウディーヤ派文献を中心として
Project/Area Number |
11J02258
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
置田 清和 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際研究者交流 / インド:ドイツ / 国際情報交換 / 多国籍 / 文献学 / 中世インド / サンスクリット / ヴィシュヌ教 |
Research Abstract |
1、写本収集:23年8月21日~23年9月6日、23年12月26日~24年1月3日、24年1月11~16日の間、研究に使用する写本収集の為インドにおける9つの図書館を訪問した。研究課題文献写本計10本(不完全な物含む)のデジタル化に成功、かつその他関連文献写本についてもさらに10本ほどデジタルコピーを入手することが出来た。The Man Singh II Museumでは王立図書館にのみ所蔵されている博論関連文献を3本発見。図書館側と交渉の結果、美術館の無償特別研究員として該当写本の写真を入手できることになった。 2、テキスト校訂、英語翻訳:当研究課題文献であるルーパ著『ウッジヴァラニーラマニー』とジーヴァによる注釈書『ローチャナロチャニー』については、受入教官である横地優子准教授他、ディワーカラ・アーチャールヤ准教授、ソームデーヴ・ヴァースデーヴ特任教授と共に週に1度、1時間半~2時間の講読会を開催してきた(23年5月7日~7月28日:1章16~21節、10月7日~12月9日:1章22~43節、24年1月25日~24年2月19日:3章1~25節)。講読会では国際的に活躍される3人もの研究者のコメントをいただき、毎回得る所が非常に多かった。 3、学会発表:(1)京都大学インド思想史学会での発表により、当研究対象であるガウディーヤ派の詩論がどのようにそれ以前の詩論と関わっていたのか、大まかな関係を掴むことができた。発表に修正を加えたものをJournal of Indological Studiesから出版予定(24年12月)。(2)American Academy of Religionでは4人の発表者からなるパネルの一員として参加、発表した。個人での発表しか経験していなかったので、他のパネリストとの討論という新しい経験を得る事ができた。(3)The 15th International Sanskrit Conferenceでは、博士論文研究の一部を発表し、ハレ大学研究員の加藤隆宏氏から有益なコメントを頂く事が出来た。またこの学会は梵文に関する最大のイベントなので世界中から集まる梵文研究者と交際する事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1、課題研究に必要な写本を十分獲得することができた。 2、写本に基づいた校訂版の作成、英語翻訳の速度が次第にあがっている。 3、LaTeXの習得によってより見やすい校訂版の作成が可能になった。 4、京都大学での授業参加によってアビナヴァグプタの詩論の概要を把握する事ができた。 5、学会発表を通して研究課題文献の概要を把握する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1、写本収集:現在the Adyar Library、the Bhandarkar Oriental Research Instituteと写本収集の交渉中である。また、24年3月21日の渡独後はチュービンゲン大学所蔵の研究課題文献写本のデジタル化を予定している。 2、テキスト校訂、英語翻訳:24年4月からはハンブルク大学アジア・アフリカ研究所に滞在し、ハルナガ・.アイザックソン教授との講読会を1年間開催の予定。テキストの3章26節から始め、新しく入手予定の写本も順次加えてゆく。
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