2011 Fiscal Year Annual Research Report
光学センサによる自己位置推定を基礎とする災害対応ロボットの不整地走行支援システム
Project/Area Number |
11J02870
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 佳都 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 移動ロボット / クローラ型ロボット / レスキューロボット / 自己位置推定 / 光学マウスセンサ / 測域センサ / 自動制御 |
Research Abstract |
地震やテロなどの被災地において,人間が救助活動を行うことには大きな危険が伴う.そこで,被災者の探索や被災建造物の内情調査といった作業への,遠隔操作型の災害対応ロボットの活用が注目されている.この種のロボットには倒壊現場における高い不整地踏破性能が求められるため,これを実現する可動式の補助クローラ(サブクローラ)を搭載したクローラ型ロボットが主流となっている.その一方で,サブクローラの搭載によりロボットの動作自由度が増加するため,遠隔操縦に高度な熟練が必要となることもわかってきた. 本年度は,災害対応クローラ型ロボットの遠隔操作を支援する(A)複数の光学センサを用いた三次元自己位置推定手法の確立および(B)不整地上での方向転換可能なサブクローラの自律制御の開発を実施する計画であった.成果は後述のとおり,順調に進展している. (A)複数台の光学センサを用いた三次元自己位置推定手法の確立: 国際会議への参加や海外研究機関への訪問などを通して得た最新情勢を踏まえ,光学マウスセンサを中心とする逐次移動量計測のためのセンサユニットを構築した.また,センサユニットの逐次移動量からロボットの挙動を復元する理論的手法に関しても検討を進めた. (B)不整地上で方向転換可能なサブクローラの自律制御の開発: 不整地上でのロボットの方向転換を妨げない,サブクローラを折りたたんだ状態での自律制御手法を開発ならびに評価を行った.この成果は,サブクローラの自律制御に関する過去の研究成果と合わせ,雑誌論文として発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A)に関しては,センサユニットの構築という実装的側面だけからでなく,センサユニットによる観測値からのロボットの移動量を復元する手法の検討という理論的側面からも研究を進めており,光学マウスセンサを用いた自己位置推定手法の確立に関して,一定の目処をつけたと考えている. (B)に関しては,新たな自律制御手法の開発およびその評価を行い,その成果を雑誌論文として発表するなどし,研究目的を充分に達成できたと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
光学マウスセンサを用いた自己位置推定に関しては,今年度得られた実装的成果と理論的成果を統合し,ロボットに搭載可能なシステムとしての完成度を高めていく.構築した手法の精度評価を不整地において行ったのち,この自己位置推定手法による推定値を,サブクローラの自律制御の基礎として活用することを目指す.なお,研究代表者は米カーネギーメロン大学への長期出張を計画しているが,渡米中も出張先機関で研究を継続できる見通しであるため,研究課題の遂行に問題はないと考えている.
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