2012 Fiscal Year Annual Research Report
光学センサによる自己位置推定を基礎とする災害対応ロボットの不整地走行支援システム
Project/Area Number |
11J02870
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 佳都 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 移動ロボット / クローラ型ロボット / レスキューロボット / 自己位置推定 / 光学マウスセンサ / 拡張カルマンフィルタ |
Research Abstract |
地震やテロなどの被災地において人間が探査活動を行うことには大きな危険が伴うため,被災者の探索や被災建造物の内情調査への遠隔操作型の災害対応ロボットの活用が注目されている. 本年度は,災害対応クローラ型ロボットの遠隔操作を支援するための,複数の光学センサを用いた三次元自己位置推定手法の開発を実施する計画であった.成果としては,後述のとおり順調な進展を得た.まず,上記の研究目的を達成するため,不整地移動ロボットに関して豊富な研究実績のある米カーネギーメロン大学Field Robotics Centerに24年7月から8ヶ月間渡航し,今年度の主な研究開発を行った.渡航先では(A)複数台の光学センサを搭載した計測モジュールめ改良ならびに(B)光学センサなどによる計測から位置推定を行うフィルタリング手法の開発を行った. (A)複数台の光学センサを搭載した計測モジュールの改良: 計測モジュールを構成するセンサや光学部品の種類ならびに配置の見直しを行った.なかでも重要な改良は,投光部と受光部の配置を見直し,光学系を分離型から同軸型に変更したことである.同軸型は分離型と比較して外乱光に頑強なことが知られており,屋外での使用が想定される本モジュールには有用な変更と考えられる. (B)光学センサなどによる計測から位置推定を行うフィルタリング手法の開発: 移動ロボットの位置推定に関しては,本研究で取り上げた光学センサによる手法以外に,クローラや車輪の回転量を計数するオドメトリや,カメラ画像の移動に伴う遷移を抽出するビジュアルオドメトリといった手法があり,これらによる計測結果を統合することでより正確な位置推定を行えることが知られている.開発した統合手法は拡張カルマンフィルタを用いるものであり,車輪やクローラのすべりを計測モデルに組み入れることで,より正確に各計測を統合できる.この成果は25年度中に学会あるいは雑誌論文として発表予定である.
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