2012 Fiscal Year Annual Research Report
Cdk活性化キナーゼによる卵子形成進行制御機構の解明
Project/Area Number |
11J02886
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 渉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | CDK活性化キナーゼ / 卵成熟 / 遺伝子組換えマウス / Zinc Finger Nuclease |
Research Abstract |
本研究は、哺乳類卵子形成過程におけるCDK活性化キナーゼ(CAK)の役割を明らかにすることを目的として、ブタおよびマウスの卵子形成の各過程におけるCAKの機能解析を行った。はじめに、ブタ卵成熟過程において、CAKはCDC2 161番スレオニン(CDC2-T161)のリン酸化を介したMPFの活性化によって減数分裂の進行に寄与しており、CAK複合体のキナーゼタンパク質であるCDK7が過剰に発現することによって染色体分離に異常を呈することなく通常より早期に第二減数分裂中期に到達することを見出した。また、卵成熟過程ではCAKの活性変動とは独立してCDC2-T161の脱リン酸化が引き起こされ、体細胞分裂においてCDC2-T161の脱リン酸化に機能するとされるものとは異なる脱リン酸化酵素が機能していることが示唆された。続いて、ブタ卵子形成過程においてBrUTPの取り込みを指標とした転写活性測定系を確立し、ブタ卵子形成過程における転写活性の動態を初めて明らかにした。また、CAK関連遺伝子群の機能解析に必要な遺伝子改変マウスを効率よく作製するために、人工ヌクレアーゼであるZinc Finger Nuclease (ZFN)を用いた遺伝子破壊マウスの作製を試み、4-6個のZinc FingerドメインからなるZFNのプラスミドベクターを効率よく作製する系を新たに確立した。これによって、1ヶ月程度といった極めて短期間で遺伝子破壊マウスの作製が可能となった。現在、本方法によってCAK制御関連遺伝子の遺伝子破壊マウスの作製を行っている。
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