2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J03138
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
藤田 公二郎 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際情報交換 / フランス / 哲学 / ミシェル・フーコー / 主体化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、フランスの現代哲学者ミシェル・フーコーにおける主体形成論、つまり主体化の哲学を明らかにすることである。本研究の見通しでは、この主体化の哲学は、知と権力と倫理の各次元における主体化を問題としており、したがってそれは、主体化の論理学、主体化の物理学、主体化の倫理学の三つから構成されることになる。この研究は最終的に学術論文『ミシェル・フーコーの主体形成論』としてまとめられる予定である。この論文の完成を目指して平成25年度は以下二つの成果をあげた。 第一に、当該論文第一部「主体化の論理学」と第二部「主体化の物理学」の完成である。この両者についてはそれぞれ平成24年度までに一通り執筆をしていたが、互いの間で多かれ少なかれ論理展開の不整合や概念規定の不一致などが残存していた。それゆえ今回、両草稿をその相互関係において今一度検討しなおし、それらの問題点を解消するべく大幅に改稿した。これによって第一部と第二部は完成稿に至ることができた。 第二に、当該論文第三部「主体化の倫理学」の執筆準備である。この第三部は、平成25年度に新たに着手した研究内容であり、それゆえ論文執筆のための基礎的準備からはじめなくてはならなかった。とりわけフーコーの関連文献の読解が重要であった。具体的には、晩年の主著『性の歴史』やその関連講義録などが問題となった。この作業によって第三部の執筆準備を大いに整えることができた。 以上の通り本研究の成果はいずれも当該論文の執筆作業の内に集約されている。この作業はまだ完結してこそいないが最終段階にあり、近い将来論文は脱稿されるはずである。この論文によってフーコーの主体形成論をおそらくはじめてその全貌において示すことができるだろう。なお、平成24年度に続き平成25年度もフランスで研究活動をし、フーコー・センターのF・グロ所長にさまざまな助言を頂くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(2 results)