2011 Fiscal Year Annual Research Report
三次元複雑乱流の構造解明のための速度・圧力ハイブリッド計測技術の開発
Project/Area Number |
11J03769
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河田 卓也 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 乱流計測 / 速度・圧力相関 / Large-eddy Simulation |
Research Abstract |
平成23年度の研究活動は、当初の研究実施計画を一部変更し、「静圧プローブの形状が計測に与える影響に関する研究」と「ステレオPIVと静圧プローブの組み合わせによる速度・圧力同時計測技術の開発」の2つの研究テーマに関して研究活動を行った。前者の研究テーマは当初の計画では平成22年度中に終了する予定であったため、交付申告書の研究実施計画には記載されていないが、速度・圧力同時計測技術を確立するうえで重要な知見が得られる研究であるため、当初実施計画に記載した研究計画の一部よりも優先し、23年度も引き続きこのテーマに関する研究を行った。 静圧プローブの形状に関する研究では、様々な形状の静圧プローブを熱線プローブと組み合わせ、その計測結果を比較することでプローブの形状の違いが計測に与える影響を実験的に調査した。その結果、静圧プロープの径や受圧孔の形が計測結果に主に影響を与える事を明らかにした。また、同条件の流れ場の数値シミュレーションを行い、計測結果の妥当性を評価した。この研究により、静圧プローブの形状が計測に与える影響に関する知見が初めて得られ、数値シミュレーションとの比較によって計測結果の妥当性が確かめられた。これはまだ実施例が少なく、計測手法として発達段階にある速度・圧力同時計測の技術をより確かなものにするうえで重要な成果である。 ステレオPIVと静圧プローブとの組み合わせによる速度・圧力同時計測の研究では、当初の研究計画通り、同時計測の準備段階として水中における変動圧力計測を行い、そのノウハウを蓄積した。静圧プロープと微差圧計を用いて研究室所有の水路において翼端渦における変動圧力計測を行い、別の作動流体を空気とする風洞において行った翼端渦の変動圧力計測と定性的に一致する結果を得た。これにより、ステレオPIVと静圧プローブによる同時計測手法の開発に必要な準備をほぼ整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
有意な成果は得られているものの、当初の計画では平成22年度中に終了する予定だった研究テーマに多くの時間を費やし、当初の計画に記載した研究計画の一部を変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
静圧プローブの形状が与える影響に関する研究では、未だに計測結果の一部において実験と数値シミュレーションの間で一致が得られていないため、この原因に関して更なる調査を行う。 また、ステレオPIVと静圧プローブによる速度・圧力同時計測の研究では、当初の研究計画に記載した通り、23年度の研究活動で確立した水中での変動圧力計測とスデレオPIV計測を組み合わせ、速度・圧力同時計測を行う。
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