2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物-ハロゲン化合物間の化学反応を利用した新規ナノ表面制御技術開発
Project/Area Number |
11J04993
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 俊 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 銅 / 酸化物除去 / 表面制御 / ナノ粒子 / ハロゲン / 異種金属 |
Research Abstract |
「新規ナノ表面制御技術開発」のために本年度は、(8)必要な時に必要な場所で酸化皮膜を除去できる金属ナノペースト開発および展開研究である、(C)電極材料-基板間の様な導通を担保すべき部位での新規酸化皮膜除去法への応用を検討した。 1.Cuナノペースト開発 Cuナノ粒子に対して本表面制御法を応用し、ペースト化、基板塗布後に加熱炉で焼結実験を行った結果、本表面処理を行っていないCu粒子と比較して、低温で焼結反応が進行し、また体積抵抗値も表面処理前のペーストと比較して1/10以下に低下することが明らかとなった。この効果は、種々の分析(XPS、SEM、TEM)から、本表面制御によりCuナノ粒子の表面酸化物が除去され、かつBrによって耐酸化性を有することに起因していることを明らかにしている。従って、(8)の開発に成功した。 2.展開研究 本研究成果を総括し、本表面制御技術の展開研究を行った。本表面処理技術を用いれば、異種金属間での金属結合を導くことがであり、(6)電極材料-基板間の様な導通を担保すべき部位での新規酸化皮膜除去法への応用できると考えた。まず、本表面処理技術をニッケル、コバルトのナノ粒子に展開した結果、Cuの場合と比較すると酸化物減少量は少ないものの、ニッケルでは酸化物の低減が確認され、コバルトでは処理前後で酸化物量に変化はなかった。つまり、本表面制御法を展開・応用できない金属が存在することが明らかとなった。これは、詳細な反応解析の結果、溶媒であるアルコールが金属表面へ吸着し、アルコキシド化するかどうかに起因すると考えられる。従って、本反応の(C)電極材料-基板間の様な導通を担保すべき部位での新規酸化皮膜除去法への応用は、金属種によって限定されるが、本表面処理反応作動可能金属である場合には応用は可能であるとことが明らかとなった。
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