2011 Fiscal Year Annual Research Report
ジョセフソン接合を用いたテラヘルツ波の検出及び新規アプリケーション応用
Project/Area Number |
11J05406
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金子 亮介 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | テラヘルツ(THz) / 超伝導 / ジョセフソン / 非線形光学 / 差周波発生 / YBCO / 有機非線形光学材料 / DAST |
Research Abstract |
テラヘルツ(THz)波は、次世代の通信、エレクトロニクス領域の周波数帯をカバーすること、多くの物理現象がこのエネルギー領域に存在することから、極めて重要な周波数領域であり、多くの光源が開発されつつある。しかし、そのように多様化しつつあるTHz波光源について、統一的尺度で適切に評価する手段は存在していない。そのため、我々は新しいTHz光源の評価手段を確立することを目的として、高温超伝導体ジョセフソン接合を用いたテラヘルツ波検出器の開発を軸とした研究を行っている。 昨年度の研究成果のひとつとして、新しいTHz波光源としての有機非線形結晶の評価を行った。具体的には、新たなTHz波光源として注目を集めつつある有機非線形結晶である、4-dimethylamino-N-methyl-4-stilbazolium tosylate(DAST)及び4-dimethylamino-N-methy1-4-stilbazolium p-chlorobenzene sulfonate(DASC)に対して、波長にわずかに異なる二つの1.2μm帯Cr:Forsteriteレーザーを照射することでTHz波を差周波発生させ、発生したTHz波を、siボロメータを用いて検出し、発生THz波の帯域や強度を測定した。その結果として、従来DAST及びDASC結晶の励起光源として用いられてきた1.5μm帯のレーザーではなく、1.2μm帯のレーザーを励起光源としても、これらの有機非線形結晶は十分THz波光源として、使用可能であることや、結晶の種類や厚みの違いにおける、強度や帯域の変化を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、新しい有機非線形結晶等を利用したTHz差周波発生システムを構築し、評価するだけにとどまらず、ジョセフソン接合を用いたTHz検出器での検出に成功する段階まで進展する予定であったが、現段階では、そこまで進展していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策としては、高温超伝導体ジョセフソン接合を用いたTHz波検出器の評価として、異なる周波数帯域を持つ超短THzパルスに対する応答の変化を測定し、周波数帯域と検出器の応答の関係性の体系化を試みる。また、有機非線形結晶よりも低周波領域でのTHz波発生が可能なLiNb結晶からのTHz差周波発生の、ジョセフソン接合での検出を試みる。
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[Journal Article] Terahertz and Infrared Spectroscopy of Gated Large-Area Graphene2012
Author(s)
L.Ren, Q Zhang, J.Yao, Z.Sun, R.Kaneko, Z Yan, S.L.Nanot, Z.Jin, I.Kawayama, M.Tonouchi, J.M.Tour, J.Kono
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Journal Title
Nano Letters
Volume: (掲載確定)(印刷中)
Peer Reviewed
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