2012 Fiscal Year Annual Research Report
ジョセフソン接合を用いたテラヘルツ波の検出及び新規アプリケーション応用
Project/Area Number |
11J05406
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金子 亮介 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ジョセフソン接合 / テラヘルツ波 / 検出器 / 周波数特性 |
Research Abstract |
テラヘルツ波の広帯域、高速、高感度検出を目指し、ジョセフソン接合を用いた検出器を開発し、その評価を行うことが本研究の同的である。特に交流ジョセフソン効果を用いた電磁波の電界検出により、テラヘルツ波の広帯域・高速検出を目指した。単色化された狭帯域のマイクロ波・ミリ波に対するジョセフソン接合の応答はこれまで詳しく調べられているが、広帯域パルス電磁波に対するジョセフソン応答特性はほとんど調べられていなかった。私は前年までの研究で、ジョセフソン接合に広帯域テラヘルツパルスを照射した場合の電流電圧特性の変化は、交流ジョセフソン効果による電界応答が支配的であることを示してきた。本年度は、周波数帯域の異なるテラヘルツパルスに対するジョセフソン接合の応答を詳細に調べた。 周波数帯域の異なる広帯域テラヘルツパルス光源として、スパイラル型、ボウタイ型と、異なるアンテナ構造をもつ光伝導アンテナを利用した。スパイラル型アンテナから放射されるテラヘルツパルスのパルス幅は、ボウタイ型アンテナから放射されるTHzパルスのパルス幅よりも1桁以上大きく、数10psecに及ぶ。また、メタルメッシュフィルターを用いて、テラヘルツ波の帯域を制御し、ジョセフソン接合の応答の変化を観測した。これらの結果を、RSJモデルに基づいた理論式で解析した結果、ジョセフソン接合の特性周波数が応答特性に大きく影響を与えており、これよりも高い周波数成分では特性が極端に悪くなり、広帯域検出にIcRn積の改善が必要であることが分かった。
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