2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経突起伸展におけるカルシウム/Rhoシグナルのクロストーク
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11J05469
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上條 諭志 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カルシウム / Rho / 神経突起 / FRET / CaMK |
Research Abstract |
神経細胞は外界の刺激に応じて形態を変え、細胞骨格を変化させることで機能的なネットワークを形成する。このプロセスは脳の発生や活動依存的な回路再編成など、発生中、発生後を通して重要であると考えられているものの、その分子基盤は未解明の点が多い。先行研究から、外界の刺激のセンサー役としてカルシウムシグナルが、形態変化の実行役としてRho-family GTPase(細胞骨格を制御する)が想定されていたが、両者が細胞内部で実際にどのように協調して機能するかは全く不明であった。両者の連関が明らかになれば、神経回路形成の基本ロジックの理解に資するものと考える。当研究は上記の疑問にカルシウムとRho-family GTPaseの同時イメージングを用いて迫る。 初年度には、カルシウムとRho-family GTPaseの同時イメージングを実施する際の種々の技術的難点の解決を試み、予備的検討において、Rac1/RhoA/Cdc42/cAMP vsカルシウムの同時イメージングが可能となった。さらに、新たな膜型カルシウムセンサーを開発した。これを用いて、神経細胞内における小領域でも固有のカルシウムシグナルパターンを計測可能か、条件検討を重ねている。次年度以降、これらのセンサー技術を用い、当研究室が既に報告している、CaMKのサブタイプが軸索と樹状突起を別々に制御するという結果をイメージングの面から検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験系の設立に時間がかかったが、申請時より格段に優れたシグナルノイズ比で撮像できるようになったこと。また、発生期神経細胞内でのカルシウムドメインの発見は予想していなかった成果であり、CaMKとの関連も含めてこちらも進めてゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
Rho-family GTPaseとカルシウムの同時観察については、カルシウム、Rho-family GTPase活性、形態の三者がどのように関連しているかを解析する。
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