2011 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンシグナル・糖代謝制御機構に基づいた中枢神経系疾患の新規診断・治療法の開発
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11J05675
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 朱公 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー病 / βアミロイド蛋白 / 糖尿病 / 糖代謝 / 危険因子 / マイクロダイアリシス / 診断方法 |
Research Abstract |
本研究課題では、認知症を初めとする脳の病気が、脳以外の臓器の病気(身体疾患)とどのように関連し互いに影響し合うかということについて、動物実験や臨床研究を通じて解明していくことを目的としている。高齢者人口の増加とともに認知症患者の数が急増し社会問題となっているが、高齢者は多くの場合、生活習慣病を初めとする様々な身体疾患を同時に患っているのが普通である。最近の疫学研究から、糖尿病などの身体疾患がアルツハイマー病等の認知症の発病リスクを高めることが明らかになってきている。 こういった身体疾患がどのようにして認知症の発病を促進するかを解明することは、今後益々増加していくことが予想される認知症の予防法や治療法を開発する上で非常に重要である。平成23年度には、モデル動物を用いた研究を進める上で重要な手法となる、新たな脳内物質測定方法を確立し、専門医学雑誌に発表した。これはモデルマウスの脳内に存在する様々な物質を生きた状態で長時間に渡って回収することができる画期的な手法であり、今後の本研究課題の遂行に大いに役立つことが期待される。また同時に、血糖値の変動を利用した新たなアルツハイマー病診断方法の開発を目指した臨床研究を進め、非常に重要な知見が得られつつある。関連病院に入院中の認知症患者を対象とし、血糖値の変動と血液中の「βアミロイド蛋白」の量との相関を解析したところ、アルツハイマー病患者では血糖値の上昇に応じて血液中のβアミロイド蛋白も上昇することが明らかとなった。この現象を利用することで、従来非常に時間がかかっていたアルツハイマー病の診断が比較的短時間に、かつ簡便に行えるようになる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画に記載し、年度内の発表を目標としていた論文(脳内物質測定のための新規マイクロダイアリシス法の開発に関する論文)が既に受理・発表されており、さらには、次年度(平成24年度)に投稿を予定していたアルツハイマー病の新規診断方法の開発に関する臨床研究について、既に今年度中に大半の解析を終え、論文投稿を済ませて、現在既に論文のリバイス中である。よって、予定以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
「11.現在までの達成度」に記載したごとく、当初の予定計画よりも進展しているため、現在の方針を継続していく予定である。
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Research Products
(5 results)