2012 Fiscal Year Annual Research Report
就学前障害児支援における連携強化に向けた情報交換システムモデルの開発
Project/Area Number |
11J06287
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 陽介 東北大学, 大学院・教育情報学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 就学前障害児 / 保護者との連携 / 情報交換 / ICTの活用 / Social Networking Service |
Research Abstract |
本研究課題の目的達成に向け、今年度は以下の2点を遂行した。 1点目は、情報交換及びICT活用に関する全国調査である。この取り組みに関して今年度は、就学前障害児の保護者と支援スタッフを対象に、郵送法による質問紙調査を実施した。調査の実施は、全国の福祉型児童発達支援センター(旧・知的障害児通園施設)と特別支援学校幼稚部の全てに依頼し、113か所(全体の26.7%)から承諾が得られた。質問紙は、保護者1050名と支援スタッフ673・名から回収した。回答を分析した結果、昨年度に得られた仮説は、支持できることが確認された。また、保護者と支援スタッフは、89.3%がインターネットを利用しており、25.9%がSocial Networking Service(SNS)を利用していることも明らかとなった。 2点目は、就学前障害児支援向け情報交換システムモデルの開発と検証である。この取り組みに関して今年度は、昨年度に開発したシステムモデルを用いて実施した、実践検討の結果を詳細に分析した。その結果、システムモデルは、保護者が支援スタッフと連携して支援を実施する際の情報交換に対する満足度を向上させるために、有効なものであることが確認された。また、今年度はフィージビリティの更なる向上を目指し、保護者と支援スタッフとの情報交換を補完する手段にSNSを位置付けた実践を行った。その際SNSには、臨床現場の担当者への聞き取り調査を踏まえ、登録したユーザー全員が自動的にネットワークを結ぶ改修を施した。その結果、SNSへの登録ユーザーが増え、昨年度よりも情報交換に活用される機会が増加した。 以上から、本研究が考案したモデルは、就学前障害児への支援において実用可能であり、保護者が支援スタッフと連携して支援を実施する際の情報交換に対する満足度を向上させるために有効であることが確認された。
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