2011 Fiscal Year Annual Research Report
サービス設計知識の統合的管理手法とそれに基づくサービス設計支援環境の開発
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11J06355
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
赤坂 文弥 首都大学東京, システムデザイン研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サービス工学 / サービス設計 / 設計知識 / サービスCAD / 設計カタログ |
Research Abstract |
本研究の目的は、サービスに関する設計知識の再利用に基づきサービス設計支援を行う計算機環境の構築である。初年度は、サービスに関する設計知識の中でも特に、「サービス機能を実体化するための知識」に着目し、サービス機能の実体化に関する知識ベースを構築すると共に、構築した知識ベースを用いて設計支援を行うための具体的方法を提案した。また、被験者実験により有効性を検証した。 (1)サービス機能の実体化に関する知識ベースの構築 サービス設計における機能の実体化段階においては、ある機能に対してその機能を発現するような実体物およびその振る舞いを導出するような知識を提示することにより、設計者を支援可能である。本研究では、「機能とその実現構造(実体物および実現プロセス)の組」の形式により、機能の実体化に関する知識を表現し、様々なサービス事例からの知識の収集・蓄積を行った。 (2)サービス設計カタログを用いたサービス設計支援環境の開発 本研究では、設計者の目的に応じた多様な実現構造を効率的に参照可能とするために、サービス機能の実体化に関する知識を一覧表形式で設計者に提示可能とした(サービス設計カタログ)。そして、サービス設計カタログを編集するための知識エディタを、サービス設計支援ソフトウェア(サービスCAD)のプラグイン・モジュールとして追加実装した。これにより、サービス設計者が実体化の対象としている機能に関する実体化知識を提示可能なサービス設計支援計算機環境を構築した。 (3)有効性検証 複数名の被験者に、開発した計算機環境を用いたサービス設計を依頼し、提案手法による設計支援の効果を観察した。その結果、以下の有効性を確認した。 ■被験者の保持する知識のみでは考慮できなかった、あるいは見落としていたようなサービスを想起可能であった。 ■提案手法により、効率的に機能の実現構造の候補を導出可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、初年度の研究の達成目標を、サービス設計知識の形式化と構造化としていた。これに対して、実際は、上記目標を達成すると共に、それら設計知識を再利用しながらサービス設計を実施するための計算機支援環境の構築まで完了しており、当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度では、サービスに関する設計知識の再利用に基づきサービス設計支援を行う計算機環境のプロトタイプを構築した。これにより、サービス設計における設計者の発想支援が可能となった。 第2年度では、本計算機環境を用いて設計したサービスを評価するための手法を構築するとともに、サービス評価モジュールを、初年度に開発したサービス設計支援環境に対して追加実装する。また、継続的に、国内外の先進的なサービス事例の調査も行い、それら事例に関する知識を、本研究で開発中の設計支援環境が有する知識ベースに追加していく。
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Research Products
(8 results)