2012 Fiscal Year Annual Research Report
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11J06883
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森本 和輝 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | L函数の特殊値 / テータ対応 |
Research Abstract |
本年度は(1)「一般四元数ユニタリ群とGL(2)のテンソル積L函数の特殊値」と(2)「GSp(4)とGSO(4,2)のテータ対応とShalika周期との関係」について研究を行った。 研究(1):本研究は特別な場合として、GSp(4)とGL(2)のテンソル積L函数の特殊値を考察している。この特殊値の代数性に関する先行研究においては、いずれもレベルに関する制限を必要としていた。本年度の研究結果として、重さが等しい場合にレベルに関する条件を必要としない特殊値の代数性についての結果を得た。さらに、一般四元数群とGSp(4)の間のJacquet-Langlands対応を仮定したときに、Petersson normの比の代数性についても証明している。この結果をまとめた論文は国際学術誌IMRNに掲載予定である。 研究(2):古澤(大阪市大)との共同研究において、GU(2,2)上でShalika周期の類似を定義し、その非消滅がtwisted exterior square L函数のs=1での極で特徴づけられることを証明していた。本研究では、GU(2,2)とGSO(4,2)の密接な関係に基づいて、このShalika周期とテータ対応との関係について考察している。実際、自明な中心指標を持つGU(2,2)の尖点的保型表現に対して、Shalika周期をもつ為の必要十分条件が大域テータ対応の非消滅で与えられることを証明した。さらに、局所体上でも、テータ対応の明示的計算を用いることにより、essentially temperedなGSO(4,2)の既約許容表現が局所Shalika周期をもつ為の必要十分が局所テータ対応の非消滅で与えられること証明した。この結果は論文としてまとめ、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度より進めてきた一般四元数ユニタリ群のL函数の研究のみならず、GSp(4)とGSO(4,2)のテータ対応についての研究が進展し、その結果をまとめ論文として投稿できている。
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Strategy for Future Research Activity |
「一般四元数ユニタリ群とGL(2)のテンソル積L函数の特殊値」の研究に関しては、重さが等しい場合のみを考察していたので、今後はベクトル値の場合を含めた、重さが異なる場合について考察していく。 さらに、研究が進めば、p進L函数の構成等の数論的応用についても考察する。
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