2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J07155
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
望月 圭 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 自由選択 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに引き続き単一神経細胞活動および局所フィールド電位(LFP)の記録を継続し、計2頭の被験体からのデータ取得を行なった。また行動データ・神経活動データの双方について、学会等においてその成果を公表した。 神経活動記録では、自由選択による記憶誘導性眼球運動課題遂行中のサル前頭連合野から単一ニューロン活動を記録し、十分なサンプルサイズを得た。解析の結果、前年までの実験から得られたのと同様の結論が確認された。すなわち、空間位置情報を表象する前頭連合野ニューロンの活動は、サル自身が眼球運動方向を選択する以前にゆらいでおり、その偶然のゆらぎによって強く表現された空間位置が選択される傾向にあった。この結果は2013年6月に行なわれた日本神経科学大会において発表した。これに加え、自由選択課題における2つの刺激の配置関係の影響を検討したところ、2つの刺激が同じ半視野内に存在すると、両者のあいだで先行する活動状態の偶然のゆらぎが生じにくく、それに起因する選択予測性の活動も小さくなることがわかった。課題遂行中のLFPの解析からも、2刺激が同側半視野に存在する場合には、選択遂行中に観察される中間β帯のLFPが刺激呈示以降の長い期間持続しており、この刺激条件において2つの空間位置表象間の競合により長くの時間がかかっていることが示唆された。この結果は2013年8月に行なわれた平成25年度包括脳ネットワーク夏のワークショップにて発表し、若手優秀発表賞を受賞した。 一方、課題遂行中のサルの選択パターンを行動学的に検討したところ、過去の試行においてある空間位置への眼球運動反応を「強制されたこと」と「自ら選択したこと」とが、それぞれ、現在の試行においてその方向の選択を抑制/促進する相反する履歴効果をもたらすことがわかった。同様の傾向は強化学習モデルを用いた解析においても確認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Research Products
(2 results)