2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J07402
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 好秀 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | レジストレーション / グラフィカルモデル / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 確率伝搬法 / graphical lasso |
Research Abstract |
本研究では、臓器レジストレーションのための統計的枠組みの構築を試みる。臓器レジストレーションとは、臓器モデルを使用して新規画像から臓器を自動的に抽出する枠組みのことで、高精度な診断支援システムにとって必須の機能である。本研究では、臓器モデルとしてグラフィカルモデルを採用し、レジストレーション精度の向上を試みる。そのために、本研究ではレジストレーション法、グラフィカルモデルの構造推定方法、複数臓器の同時レジストレーション法の3点の研究を行っている。レジストレーション法に関しては、大動脈を対象として従来までの確率伝搬法とマルコフ連鎖モンテカルロ法の精度の比較を行った。モデルの構造推定に関しては、graphical lassoを用いて大動脈を対象としてモデル構造の推定を行った。これらの結果、提案した方法によってレジストレーションの精度が向上することを確認した。一方、これまでのグラフィカルモデルは臓器中にがんが存在する場合にレジストレーションの精度が低下していた。そこで本研究では、臓器中のがんに対して頑健なモデルを臓器の局所的な大局性に基づいて構築し、実際に頑健にレジストレーションを行うことができることを確認した。さらに、正準相関解析という方法を用いて複数の臓器間の関係も考慮したグラフィカルモデルを構築して、レジストレーションの精度の評価も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画に記載した、確率伝搬法とマルコフ連鎖モンテカルロ法の精度の比較と複数臓器同時レジストレーションを実施することができた。また、統計情報や大局性を考慮したグラフィカルモデルの構築も実施でき、複数件の成果発表も行うことができたため、上記区分とする。
|
Strategy for Future Research Activity |
大動脈を対象とした実験結果が他の臓器においても同様に得られるのかを検証する。また、局所的大局性を考慮したモデルを用いた場合の臓器レジストレーションの精度評価も行う。また、前年度と同様、これら研究の成果を学術雑誌や国内外の会議へ投稿・発表する。
|