2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対する筋力トレーニングの普及を目指したコミュニケーション・モデルの構築
Project/Area Number |
11J07878
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原田 和弘 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高齢者 / 身体活動 / 運動 / 筋力トレーニング / 普及 / ヘルス・コミュニケーション / 行動科学 / 集団戦略 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者を対象とした、筋力トレーニングに関する情報のコミュニケーション・モデルを構築することである。この目的を達成することで、高齢者への筋力トレーニングの効果的な普及方策を提案することを目指している。 2011年度は、次年度以降に行う予定である、地域介入研究に基づくモデル検証の手がかりが得ることを目指して研究を行った。まず、研究代表者が保有する既存データ・ベースの解析を進めた。既存データ・ベースの解析の結果、高齢者の健康指標(健康関連QOLや痛みなど)との間に望ましい関連性は認められないものの、生活活動による筋力向上活動の実施率(週2日以上:68.9%)は、運動による筋力向上活動(筋力トレーニング)の実施率(週2日以上:8.9-25.0%)よりも2倍以上高いことから、少なくとも生活活動は、運動による筋力向上活動へと誘うきっかけになり得る可能性などが示された。併せて、65-74歳の者3000名を対象とした自由記述による質問紙調査を新たに行った。その結果、これまで有酸素運動とみなされてきた行動(ウォーキング、自転車など)も、20%以上の高齢者は筋力向上運動の1つとみなして実践していることが明らかとなり、筋力トレーニングに関する情報を普及していく上では、筋力向上に対する高齢者と専門家の認識の不一致に配慮すべきであることが示唆された。 また、次年度以降に行う地域介入研究の研究計画に関して、関係者との信頼関係を築くとともに、所属機関の研究倫理審査委員会から実施承諾を得、準備状況を整えた。 研究成果の公表については、諸外国の身体活動ガイドラインの記載内容を参考に、筋力向上を指し示す行動概念の整理を行い、「筋力向上活動」という用語を新たに提案する論文を刊行した。加えて、日本公衆衛生学会総会において、これまでの成果の一部を学会発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、次年度以降に行う予定である、地域介入研究に基づくモデル検証の手がかりが得ることを目指して研究を行ったものであり、本年度中に、所属機関の研究倫理審査委員会から得られる段階まで次年度以降の研究計画を具体化・精緻化できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
介入研究の実施フィールドとして予定している自治体関係者および地域住民との信頼関係を更に深めていくことが、本研究課題を推進していく上で特に重要であると考えている。
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Research Products
(2 results)