2011 Fiscal Year Annual Research Report
重いクォークをプローブとしたクォーク・グルーオン・プラズマ相の研究
Project/Area Number |
11J08004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋元 亮二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クォーク・グルーオン・プラズマ / 高エネルギー重イオン衝突 / チャームクォーク / ボトムクォーク / シリコン検出器 |
Research Abstract |
平成23年度の研究成果としては、本研究において必要とされる金原子核同士の衝突実験、及び陽子同士の衝突実験のデータの測定が完了し、さらに本研究において必要不可欠な検出器であるシリコン飛跡検出器によって取得されたデータを解析するためのフレームワークの構築、また検出器設置位置の較正、検出器の不感領域の評価が完了した。データに関しては、統計的に十分な量を取得することができ、非常によい成果であると言える。フレームワークの構築に関しては、今後のデータ解析の基礎を成す項目であり、これらが完了したことは非常に意義のあることである。検出器設置位置の較正に関しては、この事項が十分に完了できていないと、検出器の性能を十分に発揮することができず、系統誤差が大きくなってしまうため、較正が十分に完了したことは非常に意義のあることである。検出器の不感領域の評価も系統誤差に関連する項目であり、この評価が十分に完了したことは非常に意義のあることである。 研究の進行状況としては、当初の予定からは若干遅れてはいるが、ほぼ予定通りに進めることができた。当初の予定ではデータ解析を進め、チャームクォーク、ボトムクォーク由来の電子/陽電子の収量の評価を当該年度中に行っている予定であったが、これはまだ完了しておらず今後の課題である。しかしデータ解析の基礎が十分に確立できており、今後のデータ解析がスムーズに行えることが予想されることから、この遅れはそれほど大きな問題にはならないと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定からは若干遅れてはいるが、データ解析の基礎が十分に確立できており、今後のデータ解析がスムーズに行えることが予想されることから、この遅れはそれほど大きな問題にはならないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定としては、完成した解析フレームワークを用いて順次取得したデータの解析を行っていく。それと平行し、シミュレーションを用いて、チャームクォーク、ボトムクォーク由来の電子/陽電子の収量評価を行うために必要なスタディーを行っていく。当初の予定から若干遅れがあるため、これらを平行して行っていく際、いかに効率よく行っていくかに配慮したいと考えている。
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