2012 Fiscal Year Annual Research Report
重いクォークをプローブとしたクォーク・グルーオン・プラズマ相の研究
Project/Area Number |
11J08004
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋元 亮二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
|
Keywords | クォーク・グルーオン・プラズマ / 高エネルギー重イオン衝突実験 / チャームクォーク / ボトムクォーク / シリコン飛跡検出器 |
Research Abstract |
平成23年度の研究で、シリコン飛跡検出器によって測定されたデータを用いた飛跡再構成のためのソフトウェアの開発、シリコン飛跡検出器の設置位置の較正、不感領域の評価、といったデータ解析の基礎的な部分が完了した。それを使用して、平成24年度の研究では陽子同士の衝突実験、金原子核同士の衝突実験のデータの解析を行い、チャームクォーク、ボトムクォーク由来の電子、陽電子の不変収量の変化を評価した。 以下は具体的な内容に関してである。平成23年度に開発を行った、シリコン飛跡検出器によって測定されたデータを用いた飛跡再構成のためのソフトウェアを用いて、電子、陽電子の飛跡とビーム衝突点との距離(DCA)の分布を評価した。そして得られたDCA分布を用いて、チャームクォーク、ボトムクォーク由来の電子、陽電子の収量を評価する方法を確立した。これにより、金原子核同士の、核子当たりの重心エネルギーが200GeVでの衝突実験で初めて、チャームクォーク由来、ボトムクォーク由来の電子、陽電子の収量の比を評価した。 また平成23年度に評価を行った検出器の不感領域の情報をもとに電子、陽電子の検出効率の評価を行った。この検出効率とチャームクォーク由来、ボトムクォーク由来の電子、陽電子の収量の比を用いて、チャームクォーク由来、ボトムクォーク由来の電子、陽電子の不変収量を導出しました。さらに不変収量を陽子同士の衝突実験のデータ、金原子核同士の衝突実験のデータそれぞれに対して導出し、陽子同士の衝突の場合と金原子核同士の衝突の場合の不変収量の変化の評価を行った。
|