2012 Fiscal Year Annual Research Report
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11J08152
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
坂本 邦暢 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歴史学 / 哲学 / ルネサンス / アリストテレス / スカリゲル / 中世 / 科学史 / 思想史 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に書き上げた博士論文"Julius Caesar Scaliger,Refomer of Renaissance Aristotelianism:A Study of Exotericae Exercitationes"につき、口頭試問をうけ博士号を取得した(12月)。全9章からなる博士論文から、今後論文化可能なものを順次雑誌論文として投稿していく予定である。また同博士論文の一部を5月の日本科学史学会、6月の西洋中世学会において発表した(「反自然主義から原子論へ:ユリウス・カエサル・スカリゲルの哲学とその受容」「変容する存在の大いなる連鎖:中世とルネサンスにおける最善世界論」)。これらの活動は年次計画における『顕教的演習Exotericae Exercitationes』からの論点抽出作業に相当するものである。学会外での活動として、7月に立教大学で行われた一般にも開かれたシンポジウムにて研究発表「アリストテレスを救え:16世紀のスコラ学とスカリゲルの改革」を行なっている。この発表内容は2013年に発行予定の論文集に収録される予定である(現行提出済み)。この他に『科学史研究』と『化学史研究』に4本の書評を執筆した(共著含む)。以上の発表・執筆活動と並行するかたちで、イエズス会士によるアリストテレス注解書、およびヤコポ・ザバレラの著作の分析をすすめた。特にザバレラの著作の分析は博士論文の一部としてもすすめており、その成果を来年度以降発表していく予定である。また年度末には、総合研究大学院大学「科学知の総合化」プログラム研究会「人文社会系研究者は他分野の大学院教育にどのように貢献できるか」にて、「理工系大学院教育における歴史学教育の役割」と題された発表を行い、理工系教育における歴史教育の意義について議論を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
博士論文の執筆完了、学会発表、論文完成稿提出など、研究は順調に推移していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も史料の読解、研究成果の口頭発表、そして成果の論文投稿をすすめていくこととする。
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