2011 Fiscal Year Annual Research Report
3次元倒立振子モデルを用いた方向転換走動作における予測・運動制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
11J08259
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 慶輔 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スポーツ心理 / スポーツ動作 / 意思決定 / 予測 / 対人動作 / 反応動作 / バイオメカニクス / バスケットボール |
Research Abstract |
本研究の大きな目的「球技の1対1における防御者の方向予測メカニズムを解明すること」に沿って、当該年度は以下3つの研究を行った。 (1)方向転換走の映像の観察者の方向予測メカニズムをモデルにより近似するために、球技経験者の心理物理データ(反応時間・動作時間)を取得し、倒立振子モデルのシミュレーションにより得られた判定時刻と比較・検討した結果、防御者の意思決定は倒立振子モデルによって説明できる可能性が示唆された。この研究結果は国内外の学会で発表を行った。さらに国際誌に投稿し、査読者のコメントや指摘を基に現在再分析を行っている。 (2)方向転換走の映像の観察者の球技経験による予測戦略の違いを検討するために、球技未経験者の心理物理データも取得し、球技経験者のデータと比較・検討を行った。その結果、単純な方向転換走の方向予測戦略は球技経験に影響されないことが示唆された。この研究結果は現在国際誌に投稿するために執筆中である(次年度に国際学会にて発表予定)。 (3)フェイントも含め2者の相互作用が生じる1対1の状況においても,防御者(観察者)は(1)で示したメカニズムを用いて方向予測を行っているのかを明らかにするために、まず広い測定室の中で実際に攻撃者と防御者が対峙した状況を設定し、二者を動作分析するという実験を行い、二者が相互作用する系の結果・過程を分類した。この研究結果も現在国際誌に投稿するために執筆中である(次年度に国際学会で発表予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画よりも早いペースで実験を行い、年次計画通り様々な分野(神経生理・スポーツ心理・コーチングなど)の学会で発表を行ったため。分析や論文執筆に関しても計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は3つの実験の分析をさらに進め、論文を執筆し国際誌に投稿する。国際学会にて積極的に研究結果の発表を行う(2012年6月と7月に渡航する)。倒立振子モデルの妥当性を示すための簡易な課題の実験を追加で行う。
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Research Products
(6 results)