2012 Fiscal Year Annual Research Report
単原子層制御による貴金属フリー垂直磁化規則合金膜の創製とスピントロニクスへの応用
Project/Area Number |
11J08329
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小嶋 隆幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 希少元素 / 貴金属 / 磁気異方性 / 垂直磁化膜 / L10 / FeNi |
Research Abstract |
ハードディスク等の高密度磁気記録媒体においては垂直磁化膜が用いられ、記録を安定に保つために一軸磁気異方性エネルギー(K_u)が大きなPtを用いた材料が使用されている。そこで本研究では、Ptのように希少で高価な貴金属を用いない垂直磁化膜材料としてFe-Co-Ni系規則合金に着目し、試料作製および特性評価を行った。本年度は以下の研究を行った。 L1_0-FeNiの組成はFeリッチにした方が磁気異方性が大きくなり、Fe_<60>Ni_<40>で9.3×10^5J/m^3という最大の瓦が得られた。一方、規則度は組成がストイキオメトリから外れるほど減少した。また、X線磁気円二色性の測定結果は、Feの軌道磁気モーメントが異方性を有し、スピン軌道相互作用を通じてL1_0-FeNiのK_uを発現させていることを示唆した。理論計算もL1_0-FeNiのK_uはFeが担っていることを示唆しており、本研究によってFeをリッチにすることが瓦増大のための方策の一つであることが示された。L1_0-FeNiへのCo添加の影響について調べたところ、CoはNi層の一部を置換するように添加した場合、規則度は減少したが瓦は僅かに増大したことから、規則度の減少を抑えればCo添加はK_uの増大に有効であることが示唆された。Fe(1原子層)/Ni(n原子層)の多層膜を作製したところ、Niの厚さが2原子層以上になるとK_uがほぼゼロとなったことから、L1_0-FeNiの磁気異方性は界面磁気異方性とは本質的に異なることが明らかとなった。L1_0-FeNi薄膜をCu(001)単結晶基板上へ成長する場合、Auもしくは酸素をサーファクタントとして利用することにより、瓦を向上させることができた。最後に、スピントロニクスへの応用へ向け、強磁性共鳴によりL1_0-FeNi薄膜のダンピング定数を評価し、規則化、組成および瓦との関係を調べた。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Origin of strong magnetic anisotropy in L1_0-FeNi probed by angular-dependent magnetic circular dichroism2013
Author(s)
M. Kotsugi, M. Mizuguchi, S. Sekiya, M. Mizumaki, T. Kojima, T. Nakamura, H. Osawa, K. Kodama, T. Ohtsuki, T. Ohkouchi, K. Takanashi, and Y. Watanabe
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Journal Title
Journal of Magnetism and Magnetic Materials
Volume: 326
Pages: 235-239
DOI
Peer Reviewed
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