2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J08426
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
山本 健太郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 政党 / 人材養成 / 民主党 / ネクスト・キャビネット / 政界再編 |
Research Abstract |
本年度は、日本における議会政党の人材養成がどのような形で行われているのか、という実態を明らかにするべく、データ収集作業を行うことから研究をスタートさせた。具体的には、長らく政権与党であり続けた自民党と、2009年に政権交代を果たした民主党の人事に着目して、どのような議員がポストについているのかという点を網羅的に調査した。期間としては、1993年に一旦下野した自民党が、翌1994年に政権の座に返り咲いて以降を対象としている。 データを収集するなか、特に注目すべき論点として、民主党による政権移行準備と人事の関連性が浮かび上がってきた。そこで、民主党の政権準備の一環としてのネクスト・キャビネットと、2009年に政権を奪取して以降の人事を比較することで、政権移行がどのように行われたかの実態を明らかにできるのではないかと考えた。この研究は、本年度末に研究成果として刊行されている。 8月下旬には渡米し、米国・ニューヨーク大での在外研究をスタートさせた。ここでは、日本の議会政党における人材養成について、より理論的な立場から解明し、議論の一般性を高めることを目的とした。 政党の人事を論じるには、当該政党の目指す政策位置がどのようになっていたか、という前提を明らかにすることが重要である。そこで、加藤淳子東京大学大学院法学政治学研究科教授と共同で実施した、政党の政策位置に関する専門家調査のデータを利用し、政策位置についての分析をスタートさせた。 また、1990年代以降の日本は、いわゆる「政界再編」の時期にあたっていたが、参院における政党間移動が、同時期の衆院と比べて少なめであったという事実と、参院へのポスト配分の関係を分析する研究に着手した。当該研究は、平成24年度のアメリカ政治学会において報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、日本における近年の議会政党の人材養成システムに関するデータの整備と、その分析に着手する予定であったが、本年度末にはその成果の一端を公表することができた。また、データを整備するなかで新たな着眼点を得、その研究も進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、参院における政界再編と人材養成の関係性という、新たに着想した研究テーマに対応するため、参院において政党間移動を経験した議員のデータを詳細に収集する必要がでてきた。この作業に取り組むとともに、政党の政策位置に関する専門家調査のデータ分析も進める予定である。
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Research Products
(1 results)