2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J08599
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
諫川 輝之 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 状況 / 環境情報 / 探索歩行 / 誘導サイン / 空間形状 / 注視傾向 / 避難行動 / 避難対策 |
Research Abstract |
本研究は、様々な制約条件のもとで空間が人間の移動行動を動機づけるシステムについて、体系化を行なうことを目指している。最終年度となる本年度は以下の内容を実施した。 ①探索歩行時における環境情報の受容に関する人間―環境系モデルの構築 前年度に実施した誘導サインの探索実験で得られたデータを元に、歩行者の移動軌跡を考慮した追加分析を行なって、歩行者とサインの位置関係による見つけやすさの予測モデルを構築した。これは、探索歩行を円滑にするサイン配置の検討に資するものである。さらに、この成果を応用するため、経路の物理的環境を系統的に変化させたCG空間を作成し、印象評価実験およびアイカメラを用いた探索実験を行なった結果、歩行空間の形状やターゲットの位置によって検出率が異なる一方で、それは歩行者による主観的な評価とは必ずしも一致しないこと、注視傾向は空間形状と個人の方略によって異なることが明らかになった。 ②平常時と連続した緊急時の避難対策の提案および検証 前年度まで行ってきた津波に対する住民意識や避難行動に関する調査から、緊急時における避難の動機づけには「平常時との連続性」の担保が必要なことが分かった。これを踏まえ、地域環境の認知に関する追加調査を行ない、具体的な避難対策として、平時から認知度が高い環境要素の避難の目印としての活用、平時の地域コミュニティを活かした避難単位の導入を提案した。そして、これらに対する住民の意識を問うアンケート調査を行なった結果、さらに検証の必要な課題はあるものの、実現性は高いことが明らかになった。このことは避難行動を促進するために、個別具体的な地域の環境と人間との相互関係を考慮することの有効性を示している。 ③総括 : 空間移動の動機づけに関する理論化 これまでの成果の総括として、空間移動の動機づけに関する人間―環境系の諸要因を整理し、それらを体系的に説明する枠組みを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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