2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J08607
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安西 眸 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フローダイバータ / 脳動脈瘤 / 最適化 / CFD / ステント |
Research Abstract |
今年度の計画の一つである実形状動脈瘤に対する血流シミュレーションの症例数を増加させることについて、共同研究先である藤田保健衛生大学から医療用画像27例を得て、3次元動脈瘤形状の再構築および血流数値解析を行った。特に時系列的に成長、治療後再開通、治療後安定した動脈瘤について、各時点に対して数値流体解析を行いその流れを観察した。その結果、成長をする動脈瘤および再開通した動脈瘤では、瘤部の形状変化に伴い瘤内のフローパターンが変化する様子が観察された。しかしながら、親血管部の形状はほぼ同一であるため、BOIの位置に大きな変化は見られず、BOIの面積の変化については、ネック部形状の変化の方が支配的であった。 ステント形状最適化プログラムの開発については、本年度は特にプログラムの3次元化を行うため、スーパーコンピュータを用いた大規模並列計算を視野に入れ、3次元理想形状動脈瘤における流体計算を行ってきた。その結果、これまで行ってきた並列化なしの2次元形状と同等の計算時間で、3次元形状の流体計算を行えるようになった。したがって、3次元形状に対するステント最適化についても、これまでの2次元形状同様、実用的な時間で最適化の結果が得られる可能性を示すことができた。 また一方で、BOI(動脈瘤に対する局所的な流入)と最適ステント形状の関係性を明らかにするために、これまで行ってきた動脈瘤の形状を数式として手動で指定する方法から、3次元の動脈瘤形状をSTLファイルとして読み込むことで、自動で計算領域が作成されるプログラムに改編を行った。これにより、任意の動脈瘤形状に対するシミュレーションのセットアップが大幅に容易になり、医療用画像から再構築される実形状動脈瘤に対するシミュレーションも可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では最終的に、3次元可視化により得られる最適ステント形状の予測と自動最適化プログラムを照らし合わせ、より迅速なステント形状設計の手法を提案することを目的とする。本年度の成果として、実形状動脈瘤に対する血流シミュレーションの症例数も大幅に増加しており、また自動最適化プログラムにおいても任意の3次元動脈瘤形状に対する流体計算が可能になったことから、目的の達成に大きな前進を遂げたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は3次元形状に対応した最適化アルゴリズムの検討を行うとともに、勤脈瘤形状(BOI)の湛いによる最適ステント形状の違いを検証する。また、目的関数の違いによっても最適ステント形状に違いが出ることが他の研究で示唆されているため、本研究においても速度やせん断応力を目的関数として最適ステント形状に差が出ることを確認する。さらには非定常計算を行った際のOSIやGON等、提唱されている様々な脳動脈瘤成長パラメータを目的関数に加えた場合の最適ステント形状との関係性を吟味する。
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Research Products
(7 results)