2013 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造情報に基づいた網羅的タンパク質間相互作用予測システムの開発
Project/Area Number |
11J08750
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大上 雅史 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バイオインフォマティクス / タンパク質間相互作用予測 / タンパク質ドッキング / アポトーシス / ハイパフォーマンスコンピューティング / タンパク質立体構造 |
Research Abstract |
タンパク質の生体内相互作用ネットワークは, 病因の理解や創薬ターゲット決定に重要であるが, 大規模ネットワークを実験的に導くことは多大なコストを要するため, 計算機によって大規模なネットワークを予測する技術が求められている. 本研究は公共データベースに登録されたタンパク質の立体構造情報を利用して, 複合体形成を擬似的に行うタンパク質ドッキング計算によってタンパク質の相互作用の有無を高速に予測することを目標としており, 本年度は提案した新規手法の大規模並列実装や, GPUアクセラレータ上での実装による大幅な高速化を行った. 「京」やTSUBAMEといった超並列計算機を効率的に利用するための, MPIとOpenMPライブラリを併用したハイブリッド並列化や, タンパク質の前処理や回転計算をGPU上で計算させることでCPU-GPU間のデータ転送コストの削減などを行い, 東工大TSUBAME2.5システム400ノードの計算機環境において, 100万件規模のタンパク質間相互作用予測計算をおよそ1日で完了できるようになった. さらに, 当該予測システムは単体の複合体構造情報のみを用いるものであるが, 既存の複合体構造情報を併用することで精度, 特に選択度を向上させることのできる手法を提案した. これらはヒトアポトーシスパスウェイ中のタンパク質群(57種)に適用し, 未知の相互作用の検出を試みた. 提案手法によって検出された未知の相互作用の例としてカスパーゼ-3とカスパーゼ-7という2つのタンパク質の相互作用を挙げ, 予測された複合体構造などに基づいて検証を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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