2011 Fiscal Year Annual Research Report
原子力工学における粉体プロセスの数値解析手法の構築
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11J09310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茂渡 悠介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 粉体シミュレーション / 並列計算 / 離散要素法 / Discrete Element Method / 粗視化モデル / 大規模体系 |
Research Abstract |
1.大規模体系解析のための計算手法 粉体シミュレーション技法であるDEM(Discrete Element Method;離散要素法)においては、扱う粉体粒子数が増加するに伴って計算負荷が増加する問題がある。 高負荷に対して、高い計算能力を利用することで計算時間を短縮させることを目的として、我々はDEM並列計算技法を提案した。 現在も、より効率よく計算が可能になるようなアルゴリズムやデータ構造を研究中であるしている。 また、我々のグループでは、これまでに、計算負荷の低減を目的として、オリジナル粒子群を、より直径の大きな粒子(粗視化粒子)で代表させることで計算粒子数を削減する、粗視化モデルが提案した。 この粗視化モデルと並列計算技法を併用することで大規模体系を実用的な時間で解析できることを示した。 2.DEM粗視化モデルにおける付着力モデルの構築 我々はDEM粗視化モデルに対して、より複雑な体系の解析が可能となるよう、付着力として新たに液架橋力とファンデルワールス力を導入した。 これらの付着力について詳細な評価を行ったところ、粗視化倍率(粗視化粒子のオリジナル粒子に対する直径比)が高くなった場合に、付着力が過剰に評価される問題があることが判明した。現在、この問題について対策を研究中である。 3。大規模体系解析のための壁面モデルの構築 複雑形状壁面を有する体系内での粉体解析は、形状が複雑になるにつれて壁面と粒子の衝突判定の質荷が増加する。また、将来的に格子法に基づいた流体と粉体の連成解析を行う際には、流体計算部分で形状の評価に高い負荷が掛かることが予想される。 我々は、複雑形状壁面に対しても壁面と粒子の衝突判定の負荷を下げること、また、将来的に流体シミュレーションにおいても壁面形状評価が容易に行えるようにすることを目的として、壁面形状について新しい表現モデルの導入を研究中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高い並列化効率を持つDEM並列計算技法を構築することができた。さらに,大規模体系解析を効率よく計算するためのデータ構造も提案した。 また,粉体シミュレーションのモデルに対し付着力モデルを導入することができた。付着力モデルについて,数値解析による検証を行った結果,ある程度の精度評価と課題点の確認が行えた。 これらの成果は概ね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
粉体と流体の連成解析手法を構築し,数値解析と実験の比較により検証を行うことを予定している。また,大規模体系や複雑形状体系の解析のために必要な壁面表現モデルを開発する。
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Research Products
(8 results)