Research Abstract |
従来の高周波誘導加熱は,高速かつ高温加熱の特長を有するが,従来の単一の渦巻きコイルでは,磁束密度分布により発熱分布が決定されるため,均一な温度制御は困難であった。この問題に対して,ゾーンコントロール誘導加熱が提案されている。これは,加熱コイルを複数に分割してそれぞれのコイル電流を独立に制御することにより,被加熱物の部位(ゾーン)ごと発熱を制御する。 ゾーンコントロール誘導加熱システムでは,複数コイルの電流の位相を等しくした上,電流振幅を調整することによって被加熱物の複数個所(ゾーン)の温度・発熱分布を制御することができる。これまでは,制御可能なゾーンの最大数がコイルの数に等しく,制御制約になっていた。また,コイルの数は使用デバイスの数に比例する。したがって,温度制御精度がいいシステムでは,デバイス数が多くなり,コストが高くなってしまうデメリットがある。 本研究では,コイル電流の振幅だけではなく,発熱分布に対しての電流位相影響も考慮した上,コイル電流の振幅と位相を同時に制御することによって制御可能なゾーンの数を増やすことを提案する。したがって,より少ないデバイス数で同じ性能のシステムが作れ,コスト低下に繋がる。 まず,複数コイル電流の振幅・振幅と被加熱物の発熱分布との関係を理論的に導出し,提案方法の実用可能性を証明する。その結果,二週類の三次元抵抗行列を求めた上,被加熱物の発熱分布が各コイル電流の振幅と位相から早く算出することが可能になる。また,温度制御に要求される発熱分布から,各コイルの電流振幅と電流位相の指令値を簡単に設定できるようになる。 基本制御方法になる。得られた結果をECCEの国際学会で発表した。これから,IEEE Transaction on Power Electronicsに投稿する予定である。
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