2011 Fiscal Year Annual Research Report
人々の認知・行動バイアスの社会制度の設計に対する含意の研究
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11J09490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成田 悠輔 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 投票 / 世代 / 公立学校選択制 / 学校間競争 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した研究計画にほぼ沿った研究が進行している。この研究計画は「人々はそれぞれ異なった時点に生まれ死ぬため、社会的意思決定のための投票が行われる各時点で人々が持つ利害の規模は人それぞれに異なる。そのような状況を明示的に考慮した場合に動学的に望ましい投票制度は何か?」という問いを、世代重複モデル上の動学的投票制度の下で人々がプレイするゲームとして定式化・分析しようとするものである。今年度は人々のインセンティブや戦略的行動を捨象した場合に望ましいと考えられる投票制度を見つけるという予備的理論分析を予定している。この予備的理論分析はすでに終えつつあり、当初の研究計画通りの進捗であると考えている。 また、当初の研究計画には含まれていなかった公立学校選択制の制度設計に関する新しい研究に着手し、論文"Promoting School Competition Through School Choice:A Market Design Approach"(小島武仁氏(Stanford大学助教授)、John William Hatfield氏(Stanford大学助教授)との共同研究)をまとめた。この研究は、公立学校選択制の制度選択が公立学校の自己改善インセンティブにもたらす影響を分析し、公立学校に自己改善による競争を促すような公立学校選択制の制度を提案するものである。この論文についてはすでに共著者の小島武仁氏が東京大学経済学部および公正取引委員会で招待講演を行っており、今年度中に英文国際学術誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「9.研究実績の概要」にも記述したように、交付申請書に記載した研究計画の内容にほぼ沿った研究が進行しているほか、当初の計画にはなかった新しい研究に着手しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き交付申請書に記載した研究計画の内容にほぼ沿って研究を進行したいと考えている。また、「9.研究実績の概要」にも記述した、当初の計画にはなかった新しい研究については、今年度中に論文を英文国際学術誌に投稿する予定である。
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