2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞内レドックス状態変化のリアルタイム可視化技術の開発
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11J09626
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉浦 一徳 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酸化還元 / 蛍光タンパク質 |
Research Abstract |
平成24年度の研究において、酸化還元電位の変化に応じて蛍光強度が変化する蛍光タンパク質roSiriusC18を作成することに成功した。roSiriusC18は蛍光タンパク質SiriusにCysと円順列変異を導入しており、酸化型では還元型よりも約2割強い蛍光を発する。roSiriusC18は酸化還元状態の変化に応じて蛍光量子収率が変化しており、発色団の電離平衡状態の変化を検出するroGFPと比べpHの変化による影響を受けにくい。この特性は特に葉緑体など、pHが変化しやすいオルガネラにおける観察に適していると考えられる。現状では蛍光強度の変化の大きさが生体内における観察に十分とはいえないが、今後さらに改良を重ねることで、本研究の目的である新規酸化還元応答蛍光タンパク質の完成につながると期待される。また、roSiriusを効率よく改良するため、落射型蛍光プレートリーダーを作成しそれを用いた蛍光タンパク質選抜の系を構築した。この系ではエラープローンPCRや遺伝子シャッフリングなどで作成したSirius変異体ライブラリを発現させた大腸菌のプレート培地に、Siriusの励起に適切な励起光を照射する。このときコロニーが発する蛍光強度を画像の輝度の値として検出する。培地に酸化剤または還元剤を添加し、その前後における蛍光強度の変化割合の大きいコロニーを探索することで、より強く酸化還元応答を示すSirius変異体を効率よく選抜することが可能となった。またこの系は市販の蛍光フィルターを利用することが出来るため、Sirius以外の蛍光タンパク質を扱う際にも利用可能である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
pH依存性を持たない新規酸化還元応答蛍光タンパク質の開発が難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究で作成したroSiriusCl8を改良し蛍光変化量のおおきなroSiriusを作成する。タンパク質の特性をアミノ酸配列から予測することは非常に難しいため、ランダム変異と蛍光選抜を組み合わせた系を用い、よりよい蛍光特性を持ったroSiriusを探索する。
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