2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトゲノム遺伝子間領域から発見された新規タンパク質AGD3の機能解明
Project/Area Number |
11J09635
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 牧葉 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゲノム / ノンコーディング / 遺伝子 / シグナル伝達 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトゲノムの機能未知な転写領域から発見した新規タンパク質遺伝子AGD3の機能を明らかにすることにある。24年度は2つの方向からこの目的達成を試みた。 1つめとして細胞内局在を評価した。AGD3タンパク質は63アミノ酸からなる此較的小さいタンパク質であり、そのN末端配列は脊椎動物内で非常に保存されている。そしてこのN末端配列は、これまでにミリストイル化とパルミトイル化の2重のアシル化を受ける配列と一致したことから、その検証を行った。ヒトのミリストイル化酵素の組換え体を精製したのち、AGD3のN末端のメチオニンを除いたペプチド断片とミリストイルCoAと混合したところ、そのN末端がミリストイル化されることを質量分析によって確認できた。またこの修飾に必須の2番目のグリシンをアラニンに置換したところ、このインビトロでのアシル化は確認されなかった。またこのグリシンは、AGD3が細胞内で形質膜上にドット状に分布するのに必須であることが免疫染色実験で明らかになっている。以上の結果から、AGD3はアシル化によって、形質膜上のラフトに局在して、細胞内シグナル伝達に関与していることが示唆された。 2つ目はキナーゼAktとの機能上の関連性を検証した。本年度に別のグループから、AGD3タンパク質がAktのリン酸化を阻害するという報告が発表されたので、その普遍性とメカニズムの解析を行った。その結果、細胞種によって、AGD3がAktをリン酸化する場合と脱リン酸化する場合があることが明らかとなった。
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