2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ線条体における直接及び間接経路投射神経の個別可視化解析
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11J09726
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 亮 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / イメージング / 2光子顕微鏡 |
Research Abstract |
すでに確立されたゼブラフィッシュ直接経路特異的な遺伝子組み換え系統を用いて、ゼブラフィッシュ成魚における大脳基底核神経回路およびその関連領域の形態解析を行った。その結果、外套部から大脳基底核への投射、及び大脳基底核から視床への投射を確認し、硬骨魚類でも哺乳類同様に皮質-大脳基底核-視床ループを介した行動制御がなされていることが示唆された。 また、状況に応じた行動選択能力をゼブラフィッシュで定量的に測定するための行動パラダイムとして、Y迷路課題を確立することに成功した。これは電気刺激を罰として用いて、Y字型の水槽の底面に表示される特定の色を手がかりに水槽内の特定の区域に移動することをゼブラフィッシュに学習させる課題であり、数十試行の短い間に学習させることが可能である。この課題は状況に応じた適切な行動の学習を必要とするため、大脳規定核の機能を必要とすると予想される。今後はカルシウムイメージングによる機能解析および破壊実験を用いて、この仮説を検証していく。 また、2光子顕微鏡下でカルシウムイメージングを行うための視覚刺激提示システムを開発し、これを生きたゼブラフィッシュ成魚で適用することに成功した。これは視覚刺激提示と蛍光検出を高速で交互に切り替えることで両者の干渉を防ぐシステムであり、すべての視覚刺激をもちいた2光子顕微鏡研究に応用可能な、汎用性の高いものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、行動実験系とイメージングに用いる遺伝子組み換え系統の作製がおおむね予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上述の系を組み合わせることで、大脳基底核およびその関連領域の神経細胞群が、状況に応じた適切な行動の選択時にそれぞれどうはたらいているのかを、2光子カルシウムイメージングを用いて明らかにする
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