2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J09731
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兵頭 昌 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高次元データ / 判別分析 / 変数選択 / 漸近展開 / リッジ型推定量 / 赤池情報量基準 / デンプスター統計量 |
Research Abstract |
近年、情報化の進展も相まって高次元データを解析する機会が増えつつある。そこで、本研究では、特に高次元判別問題に焦点をあて研究を行ってきた。高次元判別問題の具体的な例としては、DNAマイクロアレイデータの分類などがあげられる。本研究では、これまでシミュレーションなどでリッジ型判別法の有用性を主張してきた。しかしながら、リッジ型の判別法が従来の線形判別法よりも優れるということは一般には不明である。そこで、次元が標本サイズよりも小さいが十分に大きい場合のリッジ型線形判別法の誤判別確率の漸近挙動を調べた。その結果から、リッジ型線形判別法が線形判別法よりも優れるためのパラメータに関する十分条件を導いた。この十分条件は、マハラノビス距離が大さけれは成立しやすい条件であるため、誤判別確率が小さいところで、リジ型線形別法を用いる法が良いとえられる。また、そこで得られた結果を基にした誤判別確率の2次漸近不偏推定量を与えた。これらの成果は、現在学術誌に投稿中である。また、変数選択問題に関しては、次元数がサンブルサイズを超えた場台も利用可能であるAIC型変数選択基準を導出し、学術誌に受理された。尚、掲載予定は2012年である。関運する問題として、平均ベクトルの検定問題に関しても幾つかの結果を与えた。1つは、デンブスター型統計量による次元数が標本サイズよりも大きい場合の平均ベクトル間の多重比較法である。他の1つは、共分散行列が異なる2標本問題においてデンプスター型統計量に基づく検定法を与えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、主に次元数が標本サイズを超えない状況における判別問題に関する議論を行ってきた。次元数が標本サイズよりも大きい場合の判別問題は、議論を行っていないため研究目的である高次元小標本での適切な判別法の提案へは未だ至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、判別分析に要する変数選択法を、本年度得た誤判別確率の推定量を利用し提案する予定である。また、この変数選択基準が、他の変数選択基準と異なる点などを言及していく予定である。また、次元数が標本サイズを越えた場合にいくつかの既存の判別手法の良し悪しを明確にして行きたい。平均の検定に関する研究から得られた知見を下にこれまでとはことなる判別手法を提案し、その理論的な性質を議論して行きたい。
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Research Products
(16 results)