2011 Fiscal Year Annual Research Report
多糖をテンプレートとするハイブリッド生体機能性材料の創製とその機能評価
Project/Area Number |
11J09810
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 渉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 骨イメージング / デキストラン / 検出部位 / ビスホスホン酸誘導体 / Huisgen[3+2]反応 / 近赤外蛍光イメージング / MRIイメージング / 放射性同位体ヨウ素 |
Research Abstract |
本研究では、生体適合性に優れたグルコースポリマーのデキストランに対し骨への集積化能を有するリン酸部位(ビスホスホン酸)と複数の検出部位を導入した生体材料を用い、新規な骨イメージング材料の開発を目指した。このような複数の検出機能を有するハイブリッド材料は、イメージング機能を調べる上でお互いの長所を生かし短所を補うことで、理想のイメージング材料になりうると期待した。 まず、結合反応点としてアセチレンとアミノ基を有するデキストラン誘導体を合成した。続いて、アジド基を有するビスホスホン酸誘導体をHuisgen[3+2]付加環化反応で、検出部位活性化エステルを有するCy5(蛍光分子),DOTA,Phenolをアミノ基とのアミド化反応により、それぞれ独立に導入することにより、望む骨イメージング材料の合成を達成した。この際、DOTAはGd^<3+>をキレートさせることによりMRI用分子プローブとして利用することができる。Phenolは放射性同位体ヨウ素(I^<125>)ラベル化が可能である。 合成したハイブリッド生体材料のin vitroにおけるハイドロキシアパタイトとの吸着機能評価を検討した。その結果、リン酸基の導入率の増加によりハイドロキシアパタイトとの吸着能力が向上することを明らかにした。また、導入率が一定値を超えると吸着量が限界に達することが明らかになった。 以上の検討により得られた骨イメージング材料を利用して、マウスの骨再生モデルの近赤外蛍光およびMRIイメージングを行なうことにより、本手法および本プローブの有用性を明らかにしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨再生モデルのイメージング研究は、(あ)マテリアルの合成、(い)in vitroにおける機能評価、(う)in vivoにおける機能評価、に大別することができる。現在までに(あ)、(い)に関する実験を終えており、良好な結果が得られたことから、今後の(う)へと展開していくことができると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
骨再生モデルを用いたin vivoにおける機能評価を行う。まず、放射性同位体ヨウ素(I^<125>)を利用して体内動態を調べる。これにより、本ハイブリッド材料の各臓器への集積を観ることができる。続いて、近赤外蛍光およびMRIイメージングを行なうことにより、本手法および本プローブの有用性を明らかにする。この際、近赤外蛍光によりマウスの全身画像、MRIにより断層画像の取得を目指す。
|