2011 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ遺伝学を用いた新規ASK1活性制御因子の探索と機能解析
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11J10055
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 良 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ASK1 / Pan3 / ストレス応答 / mRNA分解 |
Research Abstract |
翻訳阻害剤の一種であるpuromycinでショウジョウバエ由来の培養細胞であるS2細胞を処理した際に、時間依存的にDPan2、DPan3、DPABPそれぞれと、DASK1との結合が変化するという結果が得られた。そこでDPan3が受容するストレスは、翻訳抑制を引き起こすようなストレスなのではないかと考えている。その際、通常はn1RNA分解に働くPan3が翻訳が抑制されることで同時に分解も抑えられ、分解の機能から解放されることでストレス応答の機能を発揮するという仮説を立てている。また、候補となるストレスのうちDASK1を活性化するものをいくつか発見したため、これらについてDPan3などをノックダウンした時にDASK1の活性化が抑制されるか否かを確認することで本当にDPan3が翻訳抑制とDASK1の活性化の橋渡しを担っているかを検討しているところである。その結果起こるアウトプットにも現在注目しており、DPan3が翻訳が抑制された時の翻訳の再開や、あるいは翻訳を抑制させた状態で留めておくことに関わっていないかを始めとして、アポトーシスやP-body(mRNA分解の場であり、翻訳抑制を引き起こすようなストレスがかかった際に形態変化や数の増加が見られる)の形成に関与していないか検討を行っている。Pan3がDASKIを活性化する際の分子的メカニズムとしては、まずアウトプットを見つけた上で、それを軸として進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pan complexが翻訳の抑制という刺激に応答していることが共発現系による結合実験ではあるが、示すことができたため。また、一部の翻訳阻害剤に対しては、DASK1の活性化にPan3が必要であることが示せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はアウトプットの解析を主に行なっていきたいと考えている。まず翻訳抑制を引き起こすようなストレスをかけた時にアポトーシスやP-bodyの形態変化、翻訳効率の変化などが起こらないか検討を行う。そして変化が見られたものについてはノックダウン系でDASK1やPanの必要性を見ることでPan-DASK1経路がどのような生理的現象に関わっているのか確かめていきたい。
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Research Products
(2 results)