2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J10140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 航 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 利他的行動 / 企業の社会貢献 / 構造推定 |
Research Abstract |
本年度はデータの購入交渉を中心に行った。そもそもBtBを主に行っている産業のためか、これが当初の想定より大きく難航し、交渉に持ち込むまでに相当な苦労があった。何社かに当たり、幸いにも向き合ってくれる企業を見つけることができたが、日米の商習慣の違いのためか、それとも元々そういうものなのか相手からの連絡が毎回遅く、価格面でおそらく相当譲歩してもらっているであろうという負い目もあり、非常に粘り強い交渉が要求された。途中で関係が途切れそうになったり、コミュニケーションエラーがあったりと様々な苦労があったが、それでも最終的に購入まで至ることができたというのは本年度の一つの成果であると考える。また、相手からの連絡を待っている間の時間を有効活用し、本来の作業日程を前倒しして推定手法面での研究も行った。具体的には推定に用いるかなり込み入ったプログラムのコードを、「この部分はいったい何をやっているのか」というミクロ的観点と、「全体として何故これで計量経済学に即した推定を行うことができているのか」というマクロ的観点から解読した。これにより、推定に用いる技術の詳細を知っているという研究者として当たり前の責務を果たすとともに、実務的には自分の利用目的に応じてコードに適宜修正を行うことが可能になるという点で進展があったと考えている。さらに、データにかなり大規模な整理が必要だったので、EXCEL VBAを勉強し、自動処理を行うプログラムの開発を行った。具体的には、1.データの欠損値が多いブランドを取り除くコード2.ブランド名、商品の重量、UPCコードなどが様々な順番、様々な形式で一つのセルにまとめて入っている状態から、上手く重量とUPCだけを数字として自動で取り出すコード3.重量によって販売量を調整するコードなどを開発した。これにより、推定が可能になるまで後一歩という所まで研究が進展している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データの交渉が想像以上に難航したのが原因の全てである。具体的には、相手からのメールの返信が約2か月もなかったり、返事を催促してみてもなかなかメールが来なかったり、といった状況であった。おそらく相当なアカデミックディスカウントを受けているはずなので、かなりの心労があったものの、「自分のような一介の学生と交渉してくれるだけでも十分ありがたい」と考え、仕方のないことだと割り切って粘り強く交渉を続けざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
データの整理を早めに完結させるというのが第一目標である。その後CPS(アメリカの統計調査)から家計のデータを取ってくるという作業も必要になるが、これについてはある程度並行して作業を続けている所である。それらが終われば推定を行うことができる。コード面の理解は済んでいるので、必要な修正を加えるだけで推定を行うことが可能である。その後、論文の執筆に入っていく。一つ気にかかっているのは、どうも最近この手の研究が流行ってきているようで、自分が発表する前に誰かに類似の論文を発表されないか?ということである。こればかりは仕方ないことではあるが、なるべく早く完成することで対応していくつもりである。
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