2011 Fiscal Year Annual Research Report
応答観測と構造解析を融合した鉄筋コンクリート造構造物の耐震性能評価
Project/Area Number |
11J10269
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 聡宏 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 強震観測 / 性能評価 / 被害調査 / 動的相互作用 / 固有振動 / 鉄筋コンクリート構造 |
Research Abstract |
(1)強震観測網の構築 地上6階建ての鉄筋コンクリート造学校建物に対して,高密度強震観測網を構築した。対象建物は,桁行方向はラーメン構造,張間方向は壁構造となっており,特に張間方向で地盤と建物の動的相互作用(ロッキング)の影響が見られると考えられる。また,平面内で耐震壁が偏在しているため,ねじれ振動も生じうる。そこで,建物のねじれやロッキングが観測できるように強震計の配置を決定した。 2011年東北地方太平洋沖地震やその後の余震で観測された記録を解析し,建物の固有周期や振動モードを明らかにした。観測記録から求めた固有周期と,立体骨組モデルから計算した固有周期を比較すると,桁行方向はよい対応を示していたが,張間方向では観測記録から求めた固有周期の方がやや長くなった。これは,建物と地盤の動的相互作用の影響によるものと考えられ,動的相互作用の影響を考慮する必要性を認識した。 (2)地震被害調査 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震や,3月15日に発生した静岡県東部地震の際に,現地で地震被害調査を実施した。静岡県東部地震の地震被害調査では学校建物を中心に,東北地方太平洋沖地震の被害調査では壁式構造やラーメン構造の集合住宅を中心に調査した。実際の地震被害や,地震動の特性と建物の被害の関係等を把握し,研究を遂行するうえで貴重な経験をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鉄筋コンクリート造建物の対して強震観測網を設置し,強震観測を開始できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,観測記録をより詳細に解析し,ロッキング応答と上部建物の応答を分離する必要がある。また,立体骨組モデルで観測記録を再現するため,地盤バネを考慮した動的相互作用モデルを作成する。
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Research Products
(11 results)