2013 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙用耐熱軽量スラスター用耐環境コーティングの設計と実証
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11J10324
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
北澤 留弥 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 日本学術振興会 特別研究員(PD)
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Keywords | SiC/SiC複合材料 / スラスター / FEM / 燃焼試験 / ガス漏えい / アクティブ酸化 / コーティング / 変形挙動 |
Research Abstract |
今年度の研究は主に、コーティング未処理のSiC/SiCスラスターのN_2O/エタノールエンジンでの燃焼実験における実環境の再現を詳細に行った。具体的な研究内容を次にまとめる。 ア. 正確な実験データの取得 : 従来研究から用いられていた使用材料の熱伝導率及び比熱は実観測でなく繊維単体の特性を用いていた。力学試験の結果は実験の難しさから特に高温部のデータが取得できていなかった。このためシミュレーションの正確性に限界が出ていた。本年度に入り実際に比熱、熱伝導率及び力学的特性を測定可能な試験片を作製し正確な測定を改めて行った。 イ. 材料及び流体両側面からの実験データの理論的解析 : 材料分野として燃焼試験中にサーモカメラによって取得したSiC/SiCスラスター表面の温度分布の時間変化、予備実験として行われた銅製水冷型スラスターによる熱量授受の測定結果があり、ガスの燃焼などの分野ではガス圧、燃料使用量比など一連のデータが取得されている。燃焼ガス条件から算出したスラスター接触ガス温度、銅製スラスターで得られた冷却水の温度上昇から算出した熱流束などを用い複数の側面からシミュレーションを行った。 ウ. 複数の異なる実験条件のシミュレーション : SiC/SiCスラスターの燃焼実験には複数のガス条件が用いられており、条件によって結果は大きく異なる。燃焼試験において問題点の少なかった安定条件と問題点が生じた不安定条件を抽出しそれぞれにおいてシミュレーションを行い実験や測定によって得られなかったデータを予測することに成功した。 特別研究員(PD)は終了するが、本研究は次年度も継続することとなった。今年度の成果は既に受け入れ研究者、協力者らと共に論文の作製を開始しており、平成26年度に順次発表及び投稿を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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