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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ERKの時間パターンによる細胞運命決定機構の解明

Research Project

Project/Area Number 11J10441
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

齊藤 健  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)

Keywordsシグナル伝達 / 定量的イメージサイトメトリ / システム同定 / 時系列データ解析 / 初期応答遺伝子
Research Abstract

細胞外刺激の情報は、細胞内においてシグナル伝達分子の活性化の強さや時間パターンに変換され、下流の遺伝子発現および増殖・分化・アポトーシスなどの表現型を制御します。シグナル伝達経路を構成する分子の時系列データに情報が含まれており、その情報が下流にどのように処理され伝わっていくかを理解すること、すなわち分子ネットワークのシステム特性を理解することで生命システムの本質的な理解に繋がると考えられます。申請者は、シグナル分子の活性や下流の遺伝子発現量を定量的かつハイスループットに取得可能な自動分注ロボットによる定量的イメージサイトメトリーを用いて、シグナル伝達経路の中心的な因子であるERKをはじめとするMAPKs,および転写因子CREBによるIEGs(c-FOS,EGR1,c-IUN,FOSB,JUNB)の時間パターンに基づく発現誘導機構をARXモデルにより解析することを試みました。
23年度はまず、定量的イメージサイトメトリーを用いて、ARXモデルで解析するための実験データを取得した。シグナル伝達経路の中心的な因子であるERKをはじめとするMAPKs,および転写因子CREBによるIEGs(c-FOS,EGR1,c-JUN,FOSB,JUNB)の時間パターンを3分間隔で180分間計測し、計10000点にも及ぶ時系列データを計測することに成功しました。続いて、線形のARXモデルを構築しシミュレーションした。しかしながら、線形のARXモデルでは、実験データを再現することができませんでした。そこで申請者は、生化学反応を模したヒル式を組み合わせた非線形ARXモデルを構築することにしました。結果、ヒル式による非線形ARXモデルは実験データをうまく再現することができました。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究では、当初線形ARXモデルの解析を予定していました。しかしながら、線形のARXモデルでは実験データを再現できませんでした。そこで、急遽モデルの解析手法を改良し、ヒル式による非線形ARXモデルを思いつき実験データを再現することができました。ヒル式は生化学反応を組み込んだ手法であるため、この手法はより生体に近い挙動を再現するモデルであると考えられ、研究が飛躍的に進展したと考えられます。

Strategy for Future Research Activity

本研究で構築したヒル式による非線形ARXモデルにより、シグナル伝達経路による初期応答遺伝子の制御機構について、その特徴を解析することを考えています。続いてその特徴を引き出すような外挿刺激を考え、モデルで検証していくことで、細胞運命決定機構の解明に迫りたいと考えています。

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Published: 2014-07-16  

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