2013 Fiscal Year Annual Research Report
プロセス科学に基づくLSI絶縁膜の最適化に関する研究
Project/Area Number |
11J10745
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
永田 晃基 明治大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 二酸化シリコン / 大規模集積回路 / X線回折法 / 小角散乱法 / 動径分布関数 |
Research Abstract |
本研究課題はLSI用絶縁膜に関するプロセス科学の確立を主眼としており、SiO2薄膜の構造や秩序性を明らかにすることによって、酸化メカニズムや薄膜特性の理解を目的としている。本年度は、SiO2薄膜に対してより詳細な結晶様構造の把握および新たに短距離から中距離秩序性の評価を実施した。前回の報告で述べたが、微小角入射X線回折法(GIXD)の結果より、SiO2極薄膜中には非晶質構造とともに、クリストバライト結晶と類似性の高い結晶様構造が形成されていることが示された。本年度はより詳細な評価を行うために、入射角を変えることによる侵入長の制御および酸化温度依存性の評価を行った。X線入射角度の制御により結晶様構造が界面に存在し、界面における格子面間隔のピニングが示唆された。また、酸化温度800~1100℃について評価したところ、いずれの場合も結晶様構造に起因すると考えられる回折ピークが得られた回折ピーク位置より、酸化温度の上昇に伴って格子定数が小さくなっており、酸化温度によって形成される結晶様構造に変化が生じていることを示唆された。 また、放射X線の利用による散漫散乱の観測およびその解析手法について検討した。本研究では微小角入射広角X線散乱および小角散乱法により、短~中距離秩序性の評価を行った。X線広角散乱では、動径分布関数を推定し、各原子間の相関(Si-Si、Si-O、O-O)を得ることが出来た。また、小角散乱では密度分布についてそのサイズや形状に関する知見を得ることが出来き、膜密度が高いほど散乱体のサイズが大きいという傾向が見られた。これらの結果より、SiO2薄膜中の構造や秩序性は酸化プロセスに依存していることが確認され、シンクロトロン放射光を用いた評価技術が数nmの極薄膜の評価に有効であることが示された。また、得られた構造的な情報は酸化反応を検討する上で重要な知見であると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
-
-
-
-
[Presentation] Evaluation of Stress Induced by Plasma Assisted ALD SiN Film2013
Author(s)
K. Nagata, M. Nagasaka, T. Yamaguchi, A. Ogura, H. Oji, J. Son, I. Hirosawa, Y. Watanabe, Y. Hirota
Organizer
223rd ECS Meeting
Place of Presentation
The Sheraton Centre Toronto Hotel, TorontoJ Ontario, Canada
Year and Date
2013-03-13